研究課題/領域番号 |
19K21904
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
三井 正 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (90343863)
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研究分担者 |
石川 信博 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 先端材料解析研究拠点, 主任研究員 (00370312)
竹口 雅樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 技術開発・共用部門, グループリーダー (30354327)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 月面レゴリス / 月資源 / 製鉄 / 電子線励起 / 熱分解 |
研究開始時の研究の概要 |
月面に建設する観測基地の構造材料(薄膜太陽電池パネルの支柱)用の鋼材を生産するために、月面を覆う砂(レゴリス)を電子線励起の援用により熱分解温度を抑制した(~600℃)直接熱分解法で還元して、真空3Dプリンタ用の純鉄粉を得るための技術開発を行う。本研究では、人工的に作製した模擬月面レゴリスから、鉄鋼材料を得る基礎技術の開発・確立を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
真空化した加熱炉中で電子線を照射する装置を開発し、模擬月面レゴリス試料を電子線励起の援用により比較的低い温度で熱分解法を用いて還元し、鉄鋼材料を得る基礎技術の検討を行った。 電子線照射を行うことで、マグネタイト(Fe3O4)からウスタイト(FeO)までの還元反応は促進されることが明らかになったが、FeOから純鉄(Fe)への還元反応にはあまり促進されなかった。シミュレーションを行ったところ、本研究で開発した装置では電荷の漏出がかなり大きかったことが判明し、「電子線励起アシスト還元製鉄反応においては還元反応の起こる領域に一定量以上の電荷が滞留していることが重要である」という知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
月へ1kgの物資を運ぶコストは約1000万円とされており、将来の月面基地の建設のためには「現地資源利用(In-Situ Resource Utilization: ISRU)」は必要不可欠である。本研究は月面を覆う砂(レゴリス)から、構造材料用の鉄と生命維持のための酸素を得るため、電子線励起アシスト還元製鉄技術の基礎研究を行った。その結果、①対象となる試料中に電荷を滞留・蓄積すること、②電子線強度の抜本的向上(電荷が流出するよりも速く、大量の電子を局所領域に投入する)を行う必要があることが判明した。ISRUのためには電子ビーム溶接機相当の電子線発生装置を月面に持ち込む必要があることがわかった。
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