研究課題/領域番号 |
19K21906
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
山本 正浩 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 研究員 (60435849)
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研究分担者 |
鹿島 裕之 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究プログラム), 研究員 (70780914)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 電気化学 / 生命の起源 / 極限環境 / 高温高圧 / リアクター |
研究開始時の研究の概要 |
地球-生命相互作用の真の理解のためには深海・地殻内に代表される高圧・高温のような極限環境における地球化学・生化学反応の観察が必須である。近年、環境から発生する電気による電気化学的な反応の関与が示されており、高温・高圧下で電気化学を行える実験系の構築が求められている。高温高圧電気化学装置は既に一部の工学分野で利用されているが、複雑な反応系に対応できていない。本研究では、深海研究で培ってきた高温高圧実験技術を応用して二重構造式の新たな仕様の高温高圧電気化学リアクターの開発に挑戦し、既存の実験系では観察できなかった極限環境における様々な地球化学・生化学反応と電気化学反応の融合の再現と観察を目指す。
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研究成果の概要 |
本課題において二重構造式の電気化学反応槽の開発を行なった。反応液を含むガラス製のH型の電気化学セルをアルミ製の耐圧容器に閉じ込め蒸留水で内部を満たす。更にポンプで蒸留水を送り込み内圧を上げることで高圧環境を作り出す。この際、耐圧容器は構造が堅牢であるため液漏れのリスクが低い。この耐圧容器ごとインキュベーターに入れることで高温条件を作り出す。本課題では180度、10MPaまでの条件での電気化学実験が行えることを実証した。本課題では高温高圧環境でのシリカの電着過程の観察を行なった。今後、樹脂製の部品を金属製またはセラミック製に置き換えることでより高温の条件にも対応できると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温高圧電気化学反応は工業分野でのニーズが高いのみならず、自然界でも発生している現象であることが近年明らかになってきているため、基礎科学の分野でも注目されている。例えば、生命の起源の研究においても電気化学反応の重要性が指摘されており、特に高温高圧条件での電気化学反応試験を行える装置は各種再現実験のために非常に有用である。電気化学を高温高圧で制御するためには液漏れを抑えるために反応槽の構造を単純化しなければいけないという制約があったが、本課題で開発した二重構造式の反応槽を用いることで、この制約を克服した。今後様々な電気化学反応に応用できると期待される。
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