研究課題/領域番号 |
19K21915
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
張 賀東 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (80345925)
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研究分担者 |
塚本 眞幸 名古屋大学, 情報学研究科, 講師 (10362295)
三矢 保永 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (10200065)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | トライボロジー / 境界潤滑 / 摩擦調整剤 / グリーントライボロジー / 有機摩擦調整剤 |
研究開始時の研究の概要 |
持続可能な社会の実現には,摩擦によるエネルギー損失を低減でき,かつ環境にやさしい潤滑技術の確立が必須である.そこで,潤滑油に添加される有機摩擦調整剤(OFM)を対象として,分子シミュレーションで得た知見を基に,従来の分子構造を刷新する高性能環境調和型OFMの創製に挑戦する.OFMの設計・合成とともに,実用条件でのマクロな評価および原子間力顕微鏡を用いたミクロな評価を行い,またミクロな評価結果に分子論に基づく解析法を適用して,OFM吸着膜の負荷・剪断体積などを求め,低摩擦発現と分子構造の関係を解明する.本研究により,二酸化炭素排出量の削減に貢献し,OFMの開発に役立つ学術体系の構築が期待される.
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研究成果の概要 |
高性能な有機摩擦調整剤(OFM)の創製を目的に,炭化水素鎖の末端にラジカルを含む環状構造をもつ分子構造を基盤として,炭化水素鎖と環状構造を結合する官能基や,炭化水素鎖の鎖長・本数・不飽和度などを変化させて,計10種類以上のTEMPO系分子を設計・合成した.OFMの分子構造と摩擦・摩耗特性との関係を実験的に解明して,分子設計の指針を得るとともに,従来OFMに比べて,高荷重・長時間の摺動に対しても低い摩擦係数を示し,かつ耐摩耗性能が高い新規なOFMを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界エネルギー消費量の約23%は,仕事をせずに摩擦・摩耗で失われており,このエネルギー損失や温室効果ガスを極限まで削減できるグリーン潤滑技術が,地球温暖化防止には極めて重要である.そのため,潤滑油の添加剤として高性能な環境に優しい有機摩擦調整剤(OFM)が求められている.本研究は,このニーズに応え,新規なOFM分子構造を提案するとともに,その分子設計の指針が見出せた点において,学術的・社会的意義は大きい.
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