研究課題/領域番号 |
19K21918
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嶋田 隆広 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20534259)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ナノ多孔質材 / 強誘電体 / マルチフィジックス特性 / Phase-Field法 / 第一原理解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ多孔質材中の微視的な強誘電分極を評価する大規模な解析手法と装置を構築する。これを用いて主課題である強誘電ナノ多孔質材の位相幾何学的な強誘電特性を解明する。同時に、付随して現れる巨大圧電応答などの新機能を評価・解明する。さらに、多孔質材に対して力学負荷解析を実施し、新奇分極特性と負荷ひずみの連動効果(マルチフィジックス)を解明する。強誘電特性を支配する反電場の3次元空間分布を抽出・可視化し、これを基に新奇分極形成機構を解明する。得られた知見を基に、ナノ多孔質材の新奇特性・機能の力学・形状設計を検討する。
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研究成果の概要 |
負荷によって強誘電性を発現するSriO3のナノ多孔質材を対象に解析を行い、内部に発現する位相幾何学的な分極秩序を評価した。無負荷時には常誘電相であるが、力学負荷によってナノ孔周囲に強誘電ドメインが発現し、外力増加に伴ってこの領域が拡大・連結することを示した。さらに、同領域内の分極秩序は、ナノ孔配列に強く依存し、多重渦構造、渦ネットワーク構造、らせん構造、など多様な秩序を形成し得ることを示した。また、ナノ複合材料では、2相の体積比によって緻密で微細な強誘電ドメイン構造が現れ、均質材の数倍程度の圧電効果を示し得ることを示した。すなわち、微視的ナノ孔構造によって機能を設計できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強誘電(圧電)材料は、微小電気機械や生体デバイス、情報機器などに用いられる。本成果は、材料内の微視的構造によって、主たる機能である分極パターンや圧電応答特性などを設計・向上できることを示したものであり、これらのデバイスの機能設計・構造設計の指針を示すものである。特に、本材料の特色は、電気エネルギーと機械エネルギーを相互変換できる点にあり、この相互変換の高効率化を成す基本原理を示した点に学術的意義がある。
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