研究課題/領域番号 |
19K21920
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平原 佳織 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40422795)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | エアログラファイト / ナノカーボン / ナノ構造特性 / 電子顕微鏡 / 複合樹脂 / 力学特性 / マイクロ粒子 / 構造特性 / 構造制御 / 炭素複合材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で対象とするエアログラファイト粒子は、中空炭素ナノロッドが放射状に連結したウニ状の球殻構造をなす。これによって、黒鉛層の厚さが5~10nm程度であるにもかかわらずマイクロメートルレベルの中空部分が潰れることなく安定に球形が保てているだけでなく、完全に押しつぶしても除荷すると元通りになるという柔軟さも有している。このようなナノメートルレベルで特異な幾何構造を織りなす構造体の力学は、折り紙のミウラ折りにも通ずる、興味深いものである。本研究はこの新奇粒子の魅力・可能性を探る芽生え期の基礎研究として、樹脂への複合化を行い、その特性計測を通じて、粒子の構造に由来する力学特性を丹念に解き明かていく。
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研究成果の概要 |
フレキシブルな炭素層がナノメートルレベルの立体的な幾何構造を織りなす構造体は、力学的見地から興味深いものである。本研究課題は、カーボンナノチューブ状のナノロッドが放射状に継ぎ目なく連結された特異な球殻構造をなすマイクロ粒子の優れた柔軟性に着目し、その特性をより詳細に理解して機能材料としての可能性を探る芽生え期の基礎研究として、この粒子をフィラーとする複合樹脂の作製と特性評価を行った。その結果、特に濡れ挙動について構造由来の興味深い結果が得られた。また、粒子1個レベルの圧縮試験による力学特性評価から、結晶性制御によってより疲労強度に優れた粒子を得る指針を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に、物質の特性は、物質を構成する原子の種類と並び方で決まることが多いが、ナノカーボン材料では、六角形の網目状に炭素が配列したシート(グラフェン)が立体的な構造をなすことで多彩でユニークな性質が現れる。折り紙のミウラ折りにも通ずる、ナノメートルレベルの立体的な幾何構造を織りなす構造体は、力学的にも興味を惹く対象である。エアログラファイト粒子という新しい構造を有する超軽量・超柔軟な新奇物質について本研究課題で得られた成果は、その特性をより詳細に理解し、より優れた性質を引き出す糸口となるとともに、この材料を用いた新しい機能材料の開発への可能性の探索につながるものである。
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