研究課題/領域番号 |
19K21930
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
嘉副 裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (20600919)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ナノ流路 / 脂質二重膜 / 混相流 / ナノチャネル / 細胞膜 / バイオミメティクス / 流体工学 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ流体工学が進展し化学分離・分析法の超高機能化が実現しつつある。一方、同スケールの細胞・小胞は既存の化学の方法ではできない多種多様な機能を有しており、その中の細胞膜と膜タンパクは様々な分子種の超高選択的輸送や濃度勾配を逆行する能動輸送など特異的な役割を担う。そこで代表者は、細胞膜と膜タンパクをナノ流路に組込み機能を再現すれば、既存の化学の延長でない新しいナノ流体機能デバイスを創成でき、夾雑物からの超高選択的分離、簡易迅速薬物モニタリング、人工細胞/小胞システムなどを実現できると着想した。そこで本研究では、独自のナノ流路油水平行二相流形成技術を活用したナノスケール脂質二重膜組込技術を開発する。
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研究成果の概要 |
100 nm空間を利用するナノ流体工学が進展し化学分析法の超高性能化が実現しつつある。一方、同スケールの細胞・小胞は既存の化学の方法ではできない多種多様な機能を有しており、構成要素である細胞膜は様々な分子の超高選択的輸送や濃度勾配を逆行する能動輸送など特異的な役割を担う。そこで、細胞膜をナノ流路に組込んだ新しい機能デバイスの創製に向けて、本研究では独自のナノ空間混相流体制御技術を活用した脂質二重膜組込法を開発した。部分疎水修飾したナノ流路を用いることで安定な平行二相流操作を実現し、これを用いることで2本の並行する深さ4000 nmの流路の境界に脂質二重膜を形成することに初めて成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、細胞や小胞のもつ多種多様な機能をナノ空間で再現し、既存の化学的手法の延長でない新奇方法論による超高選択的分離、少数薬物モニタリングなどナノ流体工学の新領域を開拓するための基盤技術を提供するものである。細胞膜の力学的応答の評価などin vitro研究ツールとしても活用でき、in vivo研究では困難であった現象解明の実現にも繋がる。このように、本研究は将来的にナノ流体工学、分析化学、生物学などの分野に大きな波及効果をもたらすと期待される。
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