研究課題/領域番号 |
19K21932
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
名村 今日子 京都大学, 工学研究科, 助教 (20756803)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 水蒸気バブル / 光熱変換 / 光触媒反応 / 太陽光 / マイクロバブル / 流体混合 / マランゴニ対流 / 水分解 / 光触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
化石燃料の枯渇が危惧される中,水素を利用したクリーンなエネルギー循環創成への期待が高まっています.光触媒とよばれる物質に電池をつなぎ太陽光をあてると,水を分解して水素を発生できることが知られています.本研究では,この水素発生効率を向上させるために,太陽光を水の分解だけでなく水の加熱にも利用します.水を加熱して蒸気のバブルを作ると,バブルのおかげでできた温度の高いところや水の流れが水の分解効率を上げてくれると期待しています.
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研究成果の概要 |
本研究では、太陽光の可視―近赤外域の波長の部分のエネルギーを有効利用することを目的として研究を進めた。この波長域の光を光熱変換薄膜に集光すると、局所的に熱が発生するため、水中にマイクロバブルを生成することができる。このバブルは急峻な温度勾配にさらされるため、表面張力勾配や体積変動によって周辺に強い対流をもたらした。本研究では、このような流れができる条件を明らかにしたほか、一様光照射下での流れの制御に成功した。また、この流れを使えば周囲流体を効率よく攪拌できることがわかった。この現象は、主に紫外光を利用する光触媒反応を促進に有用である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、光熱変換・光触媒薄膜に擬似太陽光やレーザー光を照射することで、バブルの挙動の詳細な研究や流体攪拌性能の評価などを行った。得られた成果は太陽光を使った高度な流体制御を可能にし、今後の太陽光を利用した光触媒反応の応用方法を広げることができると期待される。また本成果は光触媒反応だけでなく、マイクロ水冷、洗浄、生化学分析、創薬、など、流体を用いるあらゆるデバイス開発においても有用な知見を与えた。さらに、小さな領域における熱と流体の動きの理解を深めて分野の発展に貢献した。
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