研究課題/領域番号 |
19K21934
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 智博 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70466788)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 液体金属 / 微粒子 / 液滴 / 分裂 / 表面張力 / 分子拡散 / 高速度可視化 / 温度計測 / 微粒化 / 連鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の流体工学において、液滴は1回しか分裂しないと考えられていた。本研究は、金属液滴が自発的に10回も分裂を繰り返す、新しい現象である『液滴連鎖分裂』に着目する。本研究の目的は、『特異な分裂現象である液滴連鎖分裂の発生条件を特定すること』である。本研究を通じて、液滴連鎖分裂の発生条件を特定することで、従来よりもはるかに高効率な微粒子製造技術への展開が期待できる。本研究は、流体工学における独創的な取り組みであるとともに、革新的な微粒子製造技術への展開が期待できる点で、挑戦的研究としての価値を有する。
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研究成果の概要 |
金属微粒子を効率よく製造するために,液体金属が連鎖的に分裂する条件を特定することで,革新的な微粒子製造技術への適用性を評価することを目的に研究を実施した.まず,高速度カメラを用いて,飛散しながら分裂する金属微粒子の挙動と,定量的な温度を明らかにした.次に,金属微粒子を採取し,電子顕微鏡を用いて微視的視点からも詳しく調査した.その結果,金属微粒子径や内部の気泡径を取得することに成功した.さらに,高速度可視化と理論解析を組み合わせることで,連鎖分裂には微粒子内部の拡散現象と内部の気泡発生が重要であり,微粒子製造には高温状態での継続的な凝縮相反応が必要であることが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
積層造形や粉末冶金に用いられる金属微粒子は,従来,高速の気体や水噴霧を溶融金属に衝突させて微粒化,冷却して製造する.このとき,個々の金属微粒子は1回しか分裂しないため,エネルギー効率が低い.この課題を解決するために,本研究では,液滴が繰り返し分裂する連鎖分裂現象を応用することを着想した.実験と理論解析を実施し,液体金属が連鎖的に分裂する条件を特定し,革新的な微粒子製造技術への適用性を評価した.
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