研究課題/領域番号 |
19K21943
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 (2020) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
新井 史人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90221051)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 燃料電池 / 機械力学・制御 / バイオ関連機器 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロロボットを利用した非侵襲生体内治療の実現には,動力供給,泳動推進,無線制御が重要課題である.これら未解決課題に対し本研究では,生体内で動作しうる動力源,マイクロ流体環境に有効な推進原理,生体透過する外部信号による方向制御に着目し,生体内で供給可能なグルコースと酸素を燃料とするバイオ燃料電池と,その電位差に伴い発生する電気浸透流反力による自己電気浸透推進機構と,外部磁場による操舵制御機能とを統合した,新規マイクロ泳動ロボットを提案する.プロトタイプを用いた模擬生体環境下での実験により,推進,操舵,位置制御性能を実証・評価し,マイクロロボットの位置制御システムを実現する事に挑戦する.
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研究成果の概要 |
生体内で供給可能なグルコースと酸素を燃料とするバイオ燃料電池と,その電位差に伴い発生する電気浸透流反力による自己電気浸透推進機構と,外部磁場による操舵制御機能を統合した,自己泳動マイクロロボット及びその位置制御システムを実現することに挑戦した.2光子吸収3次元リソグラフィにより,ナノ粒子を含む光硬化性コンポジット多層膜を材料とする磁性マイクロロボット作製方法を確立した.作製した約10 μmのマイクロロボットによりグルコース溶液中で100 μm/s以上の自己推進速度を確認し,理論的に予想されていた小型化するほど高速化する特性を実証した.更に操舵制御用ヘルムホルツコイルシステムを設計・構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本方式のマイクロロボットでは,生体で動作する動力源と小型化するほど高速となる自己推進機構を備え,操舵にのみ磁場を用いるため均一磁場生成と方向制御のみの簡略な装置構成となる.従って本方式は従来のマイクロロボット技術に対し,医用マイクロロボットの駆動・制御方式として優位かつ革新的であり,新規医療システムの創出に貢献できる可能性がある.特に従来のロボットでは到達が困難であった数100 μm以下の細く小さい領域での応用に適している.例えば,超極細の柔軟なカテーテルガイドワイヤ先端に配置し牽引・誘導するロボットや,所望の位置に薬剤などを搬送・投与する移動マイクロロボットなどが考えられる.
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