研究課題/領域番号 |
19K21949
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
朝倉 巧 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 講師 (60778207)
|
研究分担者 |
倉科 佑太 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (40801535)
栗原 渉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90826926)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | 耳小骨連載 / 伝音特性 / 耳小骨再建 / 有限要素法 / 振動音響連成解析 / 加振実験 / 耳小骨連鎖 / 有限要素法解析 / 再建耳小骨 / 耳小骨 / 鼓室形成術 / 再建モデル / 振動音響伝搬 / 聴力回復 / 中耳伝音系 / 中耳炎 / 波動数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
音は,外耳道から鼓膜に伝わり,耳小骨を経由して,内耳へ伝わる.伝音難聴はその伝達経路の障害に起因し,患者のQOLを低下させる.伝音難聴を引き起こす疾患は,慢性中耳炎など多岐にわたり,これらの根治的手術治療として鼓室形成術と耳小骨再建が行われる.耳小骨再で問題となるのが,内耳に直接接続するアブミ骨が破壊されている場合であり,執刀医の技術に負う側面が大きく,系統的な再建方法が確立されているとは言えない状況である.本研究は,効率的な新規再建資材の構築方法を確立し,その効果をin vivo実験によって確認することによって,耳小骨再建後の聴力回復に貢献する知見を得ることを目的とした検討を実施する.
|
研究成果の概要 |
耳小骨再建手術は,真珠腫性中耳炎,耳小骨離断などの気骨導差を生じる疾患に対し,伝音系を再建することで患者の聴力の回復を図る術式である.しかしながら,鼓室形成術の中には術後聴力成績が芳しくない症例が存在する.これまで、健常なヒト中耳の伝音特性に関する報告は多くみられるが,耳小骨再建手術によって再建された中耳の伝音特性に関する研究については,これまでにもみられるものの多くの知見が蓄積されておらず,手術成功のための知見を得る必要がある.本研究では,数値解析および実験手法を用いて,健全なヒト中耳,および再建された中耳のそれぞれの伝音特性について離散的手法,および実験的手法を用いて比較検証を行った.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝音難聴は,患者のQOL低下を引き起こす.伝音難聴の手術治療として、破壊された耳小骨連鎖を人工的に再構築し,鼓膜から内耳への伝音を円滑にする目的で,耳小骨再建が行われるが,耳小骨の破壊の程度によっては聴力回復が困難な場合がある.特に,内耳に直接接続するアブミ骨が破壊されている場合には,処置が有効に機能しない場合がみられる.このような場合,振動音響工学の観点から,外耳から鼓膜,中耳における耳小骨連鎖,アブミ骨底版までの伝達特性を解析し,この特性に関する最適化設計を行うことが可能であり,これにより設計された再建耳小骨を利用することによる聴力回復が実現できれば,難聴患者の大きなQOL向上につながる.
|