研究課題/領域番号 |
19K21950
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分20:機械力学、ロボティクスおよびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
澤田 秀之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00308206)
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研究分担者 |
前田 真吾 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40424808)
重宗 宏毅 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40822466)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 油滴 / マランゴニ対流 / 化学反応 / 自走油滴 / オレイン酸 / 界面活性剤 / 形状記憶合金ワイヤ / 水中物体搬送 / SMAワイヤ / 自走 / 水中搬送 / 外骨格 / ドラッグデリバリー制御 |
研究開始時の研究の概要 |
無水オレイン酸を主成分とする油滴を界面活性剤の水溶液に滴下すると,油滴界面に溶液の濃度差ができ,その内部にマランゴニ対流が発生して自走を始める.自走のエネルギーは油滴界面における界面活性剤の濃度差に起因し,これは油滴内の無水オレイン酸が加水分解反応を起こすことによって保たれる.本研究では,微細な形状記憶合金ワイヤアクチュエータを油滴の外骨格として与えることで,油滴の自走方向と速度の動的制御に挑戦する.外骨格による油滴の自律変形は,対流発生の境界条件を変化させる.電気などの外部エネルギーを必要としない化学反応に起因する自律自走の制御は,ミリ・マイクロスケールにおける有力な物体移動法となり得る.
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研究成果の概要 |
本研究では、油滴の自走現象に対して、油滴形状、環境温度・湿度変化、振動印加の3つの物理条件をアクティブに与えることで、その応答性を解析し、自走制御につなげた。これらの物理条件を与えた際の油滴内部に出来るマランゴニ対流の特性及び自走特性を物理シミュレーションとの比較により解析し、考察を行った。自走油滴を流体の動きを利用した新奇なアクチュエータと見做し、これを最適に制御する手法を提案した。マランゴニ対流の境界条件依存性に着目し、油滴形状を物理刺激によりアクティブに変形させることで自走制御をおこなう試みは、これまでにない新しい成果と言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、自走油滴を流体の動きを利用した新奇なアクチュエータと見做し、これを最適に制御する手法を提案した。ソフトロボティクスの最近の研究において、流体アクチュエータが注目されており、流体の境界条件や腱となる部材を追加して束縛を増やすことで制御を試みる研究成果が報告されている。対流を利用したアクチュエータはソフトロボティクスの分野から見ても革新的であり、また油滴を物理的に変形させて自走制御する研究は、高分子の研究分野においても新奇性が高い。対流の境界条件依存性に着目し、形状を変形することで油滴を制御する試みは、分野の垣根を超えた挑戦的な研究の成果といえる。
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