研究課題/領域番号 |
19K21954
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
末益 崇 筑波大学, 数理物質系, 教授 (40282339)
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研究分担者 |
磯上 慎二 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, 主任研究員 (10586853)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | スピントロ二クス / フェリ磁性体 / 磁化補償 / 角運動量補償 / 磁壁移動 / スピン移行トルク / 垂直磁気異方性 / 不純物 / 異常ホール係数 / 電流駆動磁壁移動 / 磁性細線 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、SrTiO3基板上で垂直磁気異方性を示すMn4N膜の磁区サイズが1mmを超えることを発見し、Mn4N細線での電流誘起磁壁駆動の実験において、速さ1,000m/sに達する世界最高レベルの磁壁移動を実証した。これは、Mn4Nがスピン注入トルクにより磁化反転が容易に起こることを示している。本研究では、Mn4N をベースに、3d 元素(D)を僅かに添加したMn4-xDxN 膜を作製し、磁化反転を可能にするスピン注入トルクおよびスピン軌道トルクの大きさを測定し、スピントロニクス材料としてのポテンシャルを明確にして、Mn4Nをベースとする新規スピントロニクス材料を開拓する。
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研究成果の概要 |
スピントロニクスにおいては、磁性膜の磁化ベクトルの向きを情報の0と1に対応させ、それらを電流で制御することが重要である。これまで、希少元素を含まないフェリ磁性体Mn4Nにおいては、研究代表者等が、外部磁場のサポートが無い状態で、スピン移行トルクのみにより室温で900m/sの超高速で磁化が反転することを実証してきた。本研究では、Mn4NにわずかにNiをドープすることで磁化補償が生じること、そのようなNi組成では、室温で3000m/sの超高速の磁化反転を実証した。同様な磁化補償は、Coをドープした場合や、非磁性不純物であるSnやAuをドーピングしても、室温で生じることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、フェリ磁性体を用いて補償組成付近で超高速の磁壁移動を達成報告した例はあるが、Tb等の希少元素を含む材料であり、また、磁壁移動に外部磁場のアシストが必要であった。本研究で室温で超高速の磁壁移動を達成した材料は、希少元素を含まず、また、室温で外部磁場のアシストが不要な点に学術的な意義がある。
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