研究課題/領域番号 |
19K21957
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平川 一彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10183097)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 冷却素子 / 半導体へテロ構造 / トンネル効果 / 熱電子放出 / 固体冷却素子 / 共鳴トンネル効果 / 熱電子冷却 / 蒸発冷却 / 蒸発電子冷却 / 半導体ヘテロ構造 |
研究開始時の研究の概要 |
現代のエレクトロニクスにおいては、素子を高効率に冷却する技術の必要性が強く認識し始められている。従来の熱電素子は、冷却効率が悪く、また標準の半導体プロセスとの整合性も悪い。このような背景の下、本研究は、標準的な半導体でトンネル効果と熱電子放出効果を組み合わせた新規な冷却効果で、高効率の冷却効果を得ることを目的としている。我々が取り組む非対称二重障壁半導体ヘテロ構造においては、共鳴トンネルによる量子井戸への低エネルギー電子注入と厚い障壁を熱的に越える熱電子放出の組み合わせにより、量子井戸層が冷却されていくデバイスである。本研究は、この新規な冷却素子の動作原理を実証することを目標とする。
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研究成果の概要 |
現代のエレクトロニクスにおいては、素子の内部で発生する熱が、素子の動作や信頼性に大きな影響を与え始めている。従って、素子の高効率な冷却技術は、エレクトロニクスの発展の鍵を握る技術と言っても過言ではない。特に、個々のデバイスやLSIチップで高温になっている部分を効率よく冷却する固体デバイス技術が早急に求められている。 本研究では半導体へテロ構造のバンド構造を適切に設計し、熱電子放出と共鳴トンネル効果を同時に制御して実現できる熱電子放出冷却技術に注目して研究を行い、それに対する新しい理論(解析的理論および数値計算)を構築するとともに、素子構造の最適化や多層化による冷却パワーの増大の提案を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代のエレクトロニクスは、素子の高密度集積化と高速動作を達成することにより大きな発展を遂げてきた。しかし、同時に素子の内部で発生する熱が、素子の動作や信頼性に大きな影響を与えはじめており、エレクトロニクスの発展を大きく阻んでいる。本研究では、半導体薄膜構造におけるトンネル効果と熱電子放出効果をうまく組み合わせて、標準的な半導体材料を用いながら、大きな冷却パワーと高い冷却効率をもつ半導体へテロ構造冷却素子を実現することを目標としている。
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