研究課題/領域番号 |
19K21964
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安岡 康一 東京工業大学, 工学院, 教授 (00272675)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 電気接点 / 溶融ブリッジ / アーク / 高融点材料 / 可変抵抗 / 直流スイッチ / アークフリー / 電流遮断 / 接点 / 異種金属 |
研究開始時の研究の概要 |
機械接点と半導体デバイスを組み合わせたハイブリッド直流スイッチにおいて,異種金属を組み合わせた新たな機械接点を開発し,アークフリーの直流スイッチングを実現する内容である。このために銅基材上に高沸点材料であるタングステンドットを分散配置することで,電流分布の制御を可能にする。接点間アーク放電は電極上のある点が金属の沸騰電圧以上になって生ずるため,電流分布制御によって大電流通電・遮断時に,電極上の最高点温度をタングステンの融点以上,沸点以下に制御可能と見込まれる。この結果,アーク放電発生前に接点電圧で半導体デバイスをターンオンさせることができ,アークフリースイッチングを実現する。
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研究成果の概要 |
機械接点と半導体を組み合わせたハイブリッド直流遮断器において,kA級の直流アークフリー遮断を目指した。アークは接点金属の沸騰により発生する。このため,タングステン材料の使用,銅裏打ち接点による熱放散の促進,接点分割による電流の分散を提案した。 高沸騰温度のタングステンを銅基材上に配置した接点構成をシミュレーションで評価した結果,無分割のタングステン接点でのアークフリー転流は450Aであるが,4分割では800Aに増加した。しかし実験結果では分割によらず限界値は400Aに留まったため,新たに銅・銅炭素・炭素を用いた可変抵抗接点を開発し,アークフリー電流の増加が見込める構成であることを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CO2を排出しない再生可能エネルギーの大量導入にむけて,蓄電装置を含めたkA級の直流システムの構築が急務である。ただし直流は交流と異なり電流ゼロ点がないため,機械接点ではアーク継続や電磁ノイズ発生の課題があり,これに替わって半導体パワーデバイスが利用される。ただし半導体デバイスは定常時の電力損失が大きい欠点がある。 これらの課題を解決する手段として機械接点と半導体を組み合わせたハイブリッド直流遮断器が提案されているが,現状では短時間アーク発生の課題が残る。本研究は新たな接点構造によりアークフリーの直流ハイブリッド遮断器を研究するもので,社会要請に合致している。
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