研究課題/領域番号 |
19K21972
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森山 貴広 京都大学, 化学研究所, 准教授 (50643326)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | スピントロニクス / 反強磁性体 / 反強磁性共鳴 / テラヘルツ / 反強磁性スピントロニクス / スピントルク |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、反強磁性体の超高速磁化反転およびその検出を行い、従来の強磁性体スピン素子ではこれまで成し得なかった超短時間領域の磁化反転ダイナミクスを理解し、さらにサブピコ秒超高速磁気メモリの動作実証を行うことを目的とする。本研究は反強磁性スピントロニクスを利用した、革新的超高速スピンデバイスの実証を目指す野心的・挑戦的なものである。本提案課題によって、反強磁性スピンデバイスの超高速動作が実証できれば、従来のスピントロニクス素子では成し得なかった時間領域(ピコ秒~サブピコ秒)の超高速性能を持つ革新的スピンデバイスへと展開できる。
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研究成果の概要 |
本課題は、超短時間領域の反強磁性磁化ダイナミクスを理解し、磁化反転デバイスを実証することを目的としている。まず、NiOやα-Fe2O3等の反強磁性材料についてその磁化ダイナミクスの調査を行い、磁化ダイナミクスを理解する上で重要な共鳴周波数やダンピング定数が結晶性やカチオン置換元素によって自在に変化することを明らかにした。さらに、光伝導スイッチを用いたピコ秒電流パルスを反強磁性体に注入し、磁化反転を誘起する実験を行ったが、磁化反転を明瞭に捉えることができていない。本実験を通して、光伝導スイッチの最適化や電流パルス導入手法について、具体的な問題点を洗い出した。今後、目的達成に向けて研究を継続する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、将来の超高速通信や超高速情報処理に供する革新的超高速スピンデバイスの実証を目指す挑戦的なものである。今回得られた反強磁性体の共鳴周波数や磁気ダンピング等の磁化ダイナミクス制御に関する知見は、超高速スピンデバイスを設計する上で重要な指針となる。超高速磁化反転を明瞭に捉えることはできなかったが、超高速スピンデバイスを実現する上で複数の具体的な問題点について洗い出すことができた。今後研究を継続することによって、反強磁性スピンデバイスの超高速動作が実証できれば、従来のスピントロニクス素子では成し得なかった時間領域(<ピコ秒)の超高速性能を持つ革新的スピンデバイスへと展開できる。
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