研究課題/領域番号 |
19K21978
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
板垣 奈穂 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (60579100)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 酸化物半導体 / スパッタリング / 量子構造 / エキシトン / ZION / 酸窒化物半導体 / ZnO / ZnMgO / 結晶成長 / トランジスタ / プラズマエレクトロニクス / スパッタ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,電子-正孔が再結合する過程 (=中間状態)として扱われてきたエキシトンを情報担体として進化させ,その伝導および記憶を利用した革新的古典/量子デバイスの創製を目指すものである.まず,オリジナル材料ZIONを用いて,室温・長寿命エキシトンを無機材料で実現する.これにより,エキシトンをキャリアとする新概念トランジスタや,制御性・長いコヒーレンス時間・室温動作安定性を兼ね揃えたエキシトン量子ビットを実現する.本研究は,新学術分野「エキシトニクス」の源流になるとともに,全てのデバイスが光配線でつながった古典-量子ハイブリットコンピューティングの先駆けになると期待される.
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研究成果の概要 |
本研究では,エキシトンを情報担体とした革新デバイスを創製することを目的とした.オリジナル材料ZIONが有する高いエキシトン束縛エネルギーとピエゾ効果を,代表者が考案した逆Stranski-Krastanov モードを用いた高品質結晶成長技術により発現させ,デバイスの室温動作に欠かせない,高温・長寿命エキシトンの実現を試みた.その結果,ZIONエキシトントランジスタにおいてゲートへの光照射によるスイッチング@室温に成功した.現在,電圧印加によるスイッチングの実現を目指すとともに,エキシトン発光におけるRabi振動の観測を通して,量子状態の保存と破壊の機構の詳細を解明中である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,代表者オリジナルのシーズ技術を背景に,エキシトンを情報担体に進化させ,革新的古典/量子デバイスの創製を目指したものである.エキシトンを「電子-正孔が再結合する過程 (=中間状態)としての準粒子」として扱い,受発光を伴うその生成と消滅に着目した物性解明・工学的応用を行ってきたこれまでのエキシトン研究を転換させる点で,学術的意義を有する.本研究は,新学術分野「エキシトニクス」の創成という学術的新規性に加え,古典/量子デバイスを利用した情報通信ネットワークの高度化への寄与等,実用的観点からも意義を有する.
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