研究課題/領域番号 |
19K21980
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松下 拓 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30283401)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 土木環境システム / 膜ファウリング / 同位体ラベリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大きなメリットがあるにも関わらず、膜処理が実施設へ導入されることを阻んでいる唯一にして最大の障壁である膜ファウリングを根本的に解明することを目的とするものである。そのために、同位体ラベリングしたグルコースを加えた培地中で微生物(活性汚泥)を増殖させることにより、同位体ラベリングされた細胞外高分子有機物を創出し、それを用いてファウリングさせた膜を同位体顕微鏡で観察することにより、世界で初めて膜ファウリングを可視化し、「何が」膜の「どこに」詰まることにより膜ファウリングが生じるのかを明確にする。
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研究成果の概要 |
同位体ラベリングした基質を加えた培地中で微生物(活性汚泥)を増殖させることにより、同位体ラベリングされた細胞外高分子有機物が創出されることを同位体顕微鏡を用いて確認した。このようにして作製した細胞外高分子有機物を用いて活性炭吸着実験を行い、同位体顕微鏡で観察することにより、細胞外高分子有機物は活性炭外表付近の細孔に吸着し、それより奥の細孔を閉塞することにより吸着阻害を引き起こしていることが分かった。同様の手法を膜ファウリングの分析に用いることにより、そのメカニズム解明へと繋がる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で行った、同位体ラベリングした基質を加えた培地中で微生物(活性汚泥)を増殖させることにより、同位体ラベリングされた細胞外高分子有機物を創出し、それを同位体顕微鏡により観察しようとする試みは世界的にも全く前例がなく、極めて斬新かつ学術的にも意義が高いと評価できる。同位体ラベリングされた細胞外高分子有機物は、活性炭への吸着阻害メカニズムの解明のみならず、膜ファウリングメカニズムの解明にも適用が可能であると期待でき、大きな発展が望める。また、活性炭吸着阻害や膜ファウリングのメカニズム解明を通じ、これらの水処理技術の欠点の克服への道筋が開けるため、社会的にも大きな貢献が期待される。
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