研究課題/領域番号 |
19K21981
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡部 靖憲 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20292055)
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研究分担者 |
猿渡 亜由未 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00563876)
森 信人 京都大学, 防災研究所, 教授 (90371476)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 水工水理学 / 海岸工学 / 海洋工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,沿岸域における巨大波の発生を一般化する新たな理論体系を構築するものであり,巨大波の衝突及びその砕波に伴う莫大なエネルギーに対する構造物及び海浜の応答の実験的あるいは数値的再現調査から新たな防災イノベーションを誘導し,沿岸域での巨大波発生予測のための基盤技術及び知見を提供するものである. 本研究では,時空間的包絡波集中による沿岸巨大波生成理論を室内実験並びに数値実験によって実証するとともに,生成した巨大波群の来襲に対する海岸の脆弱性を評価する.さらに実海域での巨大波を発生させる気象条件,発生確率を推定し,その予測法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
既に開発済みである一次元浅水包絡波集中理論に対して,その包絡波形の発達並びに最大波高の予測を行う数値モデルを開発し,実験結果の再現に成功した.理論をさらに応用し,流れ場における包絡波集中条件を新たに導出し,実証実験により集中波高は顕著に増大し,初期波浪振幅の6倍を超える巨大波の生成を再現した.さらに巨大波増幅率の入射波浪のスペクトル性を明らかにすると同時に,面的波群集中の数値および物理実験から,交差波の非線形エネルギー輸送及び波面衝突によるflip-throughの影響がさらなる波浪増幅に寄与している可能性が明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の外洋で発生する巨大波と同一のメカニズムでは,沿岸域では巨大波は発生し得ないことは知られており,それ故高波による海岸災害が幾度となく繰り返されてきたにも拘らず既存の海岸工学の統計的枠組みを超えた巨大波の影響について考えられたことはなかった.本研究は,既に導出済みである浅水包絡波集中理論をベースに,沿岸域における巨大波の発生機構を実験的,数値的に再現し,異常波発生気象条件とその予測を支持する学術的根拠を与えるものである.本研究成果は,海岸防災に関わる新たなイノベーションを誘導するだけではなく,既存体系では予期できない超巨大波による未曽有の海外災害に備え強固な防災体系の実現を促すものである.
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