研究課題/領域番号 |
19K21982
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
風間 聡 東北大学, 工学研究科, 教授 (50272018)
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研究分担者 |
井上 亮 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (60401303)
峠 嘉哉 東北大学, 工学研究科, 助教 (90761536)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 極端現象 / レーダー・アメダス / GEV / d4pdf / 再現期間 / ARFs / 独立性降雨 / 極端降雨 / 確率密度関数 / 空間統計 / 空間確率 |
研究開始時の研究の概要 |
再現確率は地点降雨の年最大降雨を解析し,再現期間を求める.これを多くの観測地点毎に得る.また,レーダー雨量計やGsMAPのような雨量分布データを用いることにより,空間降雨の再現確率を求める.この両関係から,ある範囲内の年最大日降雨量の発生確率とその年範囲確率を求め,再現期間面積を得る.この手法に従って,地点降雨や領域内の平均降雨とした場合や領域の範囲を変化させた場合の再現期間を考察することによって流域の洪水リスクとの関係が得られると想定される.また,降雨の範囲の地域差の考察(地形効果や気候区分など)を調べることにより,日本,地方,県,1級河川流域,中小河川流域の豪雨再現期間を求める.
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研究成果の概要 |
d4pdfデータの頻度分析を行い,気候区分に基づいた5 つの地域における極値降水の空間的な発生確率を解析し,極値降水の将来変化とその地域差の考察を行った.過去実験の結果から,空間再現期間が最も長い(頻度が低い)地域は北海道(3.82年)であり,最も短い(頻度が高い)地域は西日本太平洋側(2.34年)であり,北海道の 1.6倍ほど頻度が高い.将来の2℃上昇実験では,北海道と西日本日本海側の空間再現期間が長い(2.08年,2.07年).過去実験と比較した RP100 年極値降水の頻度増加率は,緯度が低い南の地域ほど頻度増加率は低い傾向が見られ,西日本太平洋側の頻度増加率が最も低い1.4倍である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地方自治体管理の中小河川の氾濫確率は,流域が小さいため降雨の確率と同規模の洪水が発生する.本研究によって空間スケールと降雨の再現確率が理解され,流域内の洪水被害の発生頻度をおおよそ理解できた.特に温暖化によるリスクの上昇の地域性が明確になった.より効果的な備え,特に水防施設や配置や治水の投資効果を知ることができ,豪雨災害対策に有効である.確率降雨への正しい認識によって,一般市民への豪雨災害の啓発として利用できるとともに,学問上も新しい空間再現確率を示すことができたと考えている.
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