研究課題/領域番号 |
19K21986
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤井 学 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (30598503)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 量子化学計算 / 促進酸化処理 / 有機微量汚染物質 / フェノール / ヒドロキシラジカル / 反応経路 / 変換生成物 / 水処理 / 高度処理 / 微量汚染物質 |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会において日々新たな有機化合物が開発されていく中で、水処理場に流入する有害物(農薬、医薬品など)は今後も増加の一途を辿ることが予想され、それらを一つ一つ実験的に調べるには膨大な人手と時間を有する。そこで、本研究では高度水処理において有機微量汚染物質がどのような反応経路で分解され、生産される中間生成物について包括的に評価可能な量子化学的計算法を開発する。
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研究成果の概要 |
医薬品や農薬などの様々な有機微量汚染物質を促進酸化処理により分解除去する際、有害な変換物質の生成を制御するなど、その分解経路を十分に把握したうえで、適切な処理を行うことが望まれる。本研究では、理論計算の微量汚染物分解反応への適用性を検証するため、量子化学計算による汚染物質の反応経路解析を実施した。具体的には代表汚染物質としてフェノールを選定し、OHラジカルによる酸化分解を対象として、反応部位や反応速度等の理論計算を実施した。本研究で対象とした3つの手法のうち、M062xが最も精度良く分解反応部位や速度定数を算出できることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水環境中には様々な汚染物質が存在する。その中でも医薬品や農薬類など人間活動由来の有機微量汚染物質の多くは難分解性を示し、現行の水処理では十分に分解除去できない場合がある。特に、十分に分解されず生じる変換物質には有毒なものも含まれるため、分解経路を十分に把握する必要がある。本研究では、従来の実験型アプローチとは異なり、効率的に実施可能と考えられる理論型アプローチを採用し、量子化学計算が酸化分解経路の推定において有用であるかを検討した。その結果、特にM06-2Xを用いることで、フェノールのOHラジカルによる酸化反応を精度よく計算できることが明らかとなった。
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