研究課題/領域番号 |
19K21993
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
関本 俊 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (10420407)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | ハロゲン / 中性子放射化分析 / 地球化学 / 標準物質 / シェール岩石 / 頁岩 / シェール / 放射化分析 / 幌延 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、中性子放射化分析法により、幌延地下深部で産出された堆積岩試料のハロゲン他の微量元素分析を行い、ヨウ素やその他の元素の濃縮とその濃度と、空隙率や透水係数等の物理データとの間に明確な相関を見出し、シェール岩石やその元となる頁岩の変成の過程を明らかにすることを目的とする。その結果より、生産効率が高いスイートスポットを探索する新原理の構築に挑戦する。 新しいエネルギー源として注目されているシェール層において、物理データだけでなく、上記のような化学的な情報を加えることにより、生産効率が高いスイートスポットを、試行錯誤に頼ることなく、高い確度で選択することが可能になる。
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研究実績の概要 |
本研究は、これまで物理的な観点からのみ議論されていたシェール岩石に対し、初めて、元素組成という化学的な観点からシェール岩石を捉えるものである。具体的には、シェール岩石中のヨウ素やその他の元素の濃縮とその濃度に着眼し、従来の調査より得られている、空隙率や透水係数等の物理データとの間に、明確な相関を見出すという探索的性質の強いアプローチを行う研究である。その結果に基づいて、生産効率が高いスイートスポットを探索する新原理の構築に挑戦する。シェール岩石の元素組成は、研究代表者が十分に経験のある中性子放射化分析法で行われる。また上記の着眼点の根拠は、米国地質調査所が発行するシェール岩石標準試料中においては、地殻に存在する岩石に比べて、ヨウ素が2-3桁濃縮していることを、研究代表者らが見出したことに基づく。新しいエネルギー源として注目されているシェール層において、物理データ(【今後の研究の推進方策】に後述)だけでなく、化学的な情報を加えることにより、生産効率が高いスイートスポットを、従来のような試行錯誤に頼ることなく、高い確度で選択することが可能になる。 但し、2021年度は、アメリカの地質調査所(USGS)が発行する一部の標準岩石試料について、研究代表者らが過去に公表したハロゲンの分析値と、近年、他のグループが公表した値との間で矛盾が見つかったため、USGSが発行している17個の標準岩石試料について、ハロゲンの再分析を行った。分析法は、RNAA(Radiochemical Neutron Activation Analysis, 放射化学的中性子放射化分析法)である。現在、一部、解析が続いており、その矛盾について、原因を究明中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度当初は、ハロゲンを用いた、興味深い地球化学研究の例として注目していた、ヨウ素濃度の濃縮が知られるシェール岩石のハロゲンの定量をRNAAにより進める予定であった。しかし、年度当初に、アメリカの地質調査所(USGS)が発行する一部の標準岩石試料について、研究代表者らが過去に公表したハロゲンの分析値と、近年、他のグループが公表した値との間で矛盾が見つかった。本研究の最終目標である、これまで物理的な観点からのみ議論されていたシェール岩石に対し、初めて、元素組成という化学的な観点からシェール岩石を捉えるということの達成には、シェール岩石中のハロゲン、特にヨウ素の非常に正確な濃度の情報が必要であるため、上記の矛盾の解明は不可欠である。従って、本年度は、RNAAを用いて、USGSが発行している17個の標準岩石試料の再分析を複数回行った。これらの17試料は、研究代表者らはすでに分析を行っており、今回の再分析は、その再現性を確認することが最大の目的である。それに加え、上述のグループがハロゲンの値を公表している別の標準試料についてもRNAAを施し、両者の結果を比較検討した。現在、一部、解析が続いており、上記の矛盾について、原因を究明中である。
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今後の研究の推進方策 |
まず、「現在までの進捗状況」の文末に記した、解析を終了し、矛盾の原因を解明する。そして、RNAAを用いて、粉末化したシェール岩石のハロゲンの分析を行い、ヨウ素の濃縮をシェール岩石中の化学的特徴として確立する。本研究で行う固体試料中の微量ハロゲンの定量分析は他の分析手段では非常に難しく、かつ、データの信頼性の点でRNAAに勝る方法はない。また、同様の試料に対し、ヒ素、セレンを中心にハロゲン以外の元素分析を行う。ヒ素、セレンは米国地質調査所の地球化学データベースにおいてシェール岩石中での濃縮の可能性が示唆されている。これらの元素の分析は、機器中性子放射化分析法(INAA)により行われる。 通常INAAを用いると、上記元素を含む33元素を定量することが可能である。ここで確認される、ヨウ素以外の元素の濃縮も、シェール岩石の化学的特徴として確立する。 上記を進めることにより、シェール岩石中でその濃縮が確立された元素及びその定量値と、従来シェール岩石に施されてきた調査により得られている物理データ(岩石の空隙率、透水係数、フラクチャリングの際に用いる流体に対する割れやすさ等)との間に、明確な相関を見出し、生産効率が高いスイートスポットを探索する新原理の構築を目指す。
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