研究課題/領域番号 |
19K21994
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
勝見 武 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (60233764)
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研究分担者 |
高井 敦史 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (30598347)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 災害廃棄物 / 津波堆積物・堆積土 / 分別土 / 分級 / 付着性 / コンシステンシー / 土砂系混合廃棄物 / セシウム / 分別 / ゼオライト / ベントナイト / 放射性物質 / 除去土壌 / 分級/混合 / 粘性土 / 石系材料 |
研究開始時の研究の概要 |
福島第一原発事故後の除染事業に伴い発生した、2000万m3もの除去土壌の安全な利活用が急がれている。土壌の放射能濃度を低下させ再資源化を図るためには、放射性Csの多くが取り込まれている細粒分を分離する「分級」技術と、幅広い粒径の材料を混ぜることで工学的特性を改善する「混合」技術との併用が有効と考えられる。本研究では、土を分離すべきか混合すべきかの判断指標の提示を目指し、(1) 粒度の良い土に粘性土を混合したときの地盤工学特性の評価と影響因子の解明、(2) セシウム濃度低減効果が期待できる市街地土壌と農地土壌の配合条件の探索、(3) 分離・混合技術の適用指標の提案を行う。
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研究成果の概要 |
土砂混合廃棄物の選別処理において最も主要な構成要素となる「分級(ふるい)処理」に着目し,模擬混合廃棄物を対象として振動ふるいによる室内分別試験を行った。土砂分の細粒分含有率と含水比を変えて検討した結果,1) 乾燥状態から含水比を高めた場合,ふるい上に残留する割合が大きくなるが,ある閾値を境に残留する割合が小さくなること,2) その閾値は試料によって異なるが,接着剤として振る舞う土砂分のコンシステンシー限界で統一的に表現できる可能性があること,等を明らかにした。乾式での混合廃棄物分別処理を適用する場合、極力含水比を低下させてから分別することで、土の剥離を促進できると言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,2011年の福島第一原子力発電所事故で発生した約1400万m3にものぼる除去土壌を土木資材として活用するため,土砂混合廃棄物の分別しやすさに及ぼす土砂の性状の影響を評価したもので,極力含水比を低下させてから分別することで,土の剥離を促進できることを明らかにしている。含水比の制御は現場で容易に実施できる事項であり,追加費用を抑制しつつ混合状態の災害廃棄物・除去土壌から各材料を精度良く分別し取り出すための重要な知見と言える。また,混合廃棄物の分離しやすさを土砂分の基礎物性で統一的に表現できたことは,土砂分の物性を評価することで分別効率や処理速度を予測できる可能性を示唆している。
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