研究課題/領域番号 |
19K22008
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分23:建築学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
丸山 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40363030)
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研究分担者 |
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 教授 (30324403)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 曹長石 / 水酸化カルシウム / 珪酸カルシウム水和物 / 温度依存性 / ゼオライト / 長石類 / セメント水和物 / カルシウムシリケート水和物 / 灰長石 / 正長石 / 石英 / 長石 / C-S-H / ハイドロガーネット / 岩石鉱物 / 相互作用 / モルタル物性 |
研究開始時の研究の概要 |
コンクリートは骨材(砂、砂利)、水、セメントによってできる。従来、骨材は未反応物、セメントは水と反応するものとして、材料の設計が行われてきた。しかし、申請者の近年の研究ににおいて約50年経過したコンクリートについて分析すると、骨材とセメントの反応物との化学反応により、さらに強度が増進するということがわかった。そこで、骨材の反応性に着目して、長期的なコンクリートの物性改善がどのように生じるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
従来,コンクリート中の骨材は非活性な材料であり,セメントの水和反応には関与されていないとされていた.しかしながら,材齢50年の高経年化したコンクリート構造物について詳細な物性試験および化学分析を行ったところ,コンクリート中の長石類が水酸化カルシウムと反応する傾向を示唆した.本研究ではこれらの背景に順次,コンクリート中に用いうる岩石鉱物を選定し,セメントの水和物として代表的な水酸化カルシウムとの反応の有無,ならびに温度依存性について確認した.その結果,各鉱物と水酸化カルシウムの反応があること,アルミノ珪酸カルシウム水和物ならびにゼオライトを生成すること,それらの温度依存性について明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会基盤となるコンクリート構造物ならびに建築ストックである鉄筋コンクリート構造物の寿命を評価することや,長期に利用する上での物性変化を正確に予測・評価することは経年マネジメントにおいて重要な基礎事項である.日本では,スクラップアンドビルドの文化があって,特に鉄筋コンクリート構造物の長期的な物性変化に資するデータの整備は十分でなく,また,それを支配する科学的な反応についても不明瞭な事が多い.本研究では,セメントの水和物と特定の岩石鉱物が反応し,水和物を生成し,好意的な物性の変化(強度の増大)をもたらしうることを突き止めた.また,その反応の温度依存性について明らかにした.
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