研究課題/領域番号 |
19K22017
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田川 雅人 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10216806)
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研究分担者 |
横田 久美子 神戸大学, 工学研究科, 助手 (20252794)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 宇宙環境 / 原子状酸素 / 超低地球軌道 / 材料劣化 / 国際標準 / 地球高層大気 / 窒素分子 / ポリイミド / 観測ロケット / ポリイミド劣化 / 地上試験 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙用材料・システムは宇宙環境の影響により特性変化・劣化を受けることが知られており、軌道上試験・地上模擬試験を用いた研究が行われてきたが、両者の結果には不整合が報告されている。さらに最近の研究ではこれまで考慮されてこなかった窒素分子の同時衝突が、材料劣化に大きな影響を与えることが報告されている。本研究課題ではレーザーデトネーション型原子状酸素環境模擬実験装置に新規原子状酸素センサー等を用いることにより、ポリイミドを基準材料としている現状の国際基準の不完全性を明確化し、科学的に根拠のある新基準の確立・提案を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題ではポリイミドを基準材料としている現状の国際基準の不完全性を明確化し、科学的に根拠のある新基準の確立・提案を目指すことを目標としたものである。本研究の結果、地上実験ではビーム中の高エネルギー分子の存在比率に対してポリイミド劣化速度が線形的に増加し、現状のポリイミド基準による材料劣化量検証の問題点と不整合の主原因が特定された。また、同様の現象が世界初の超低高度衛星SLATSのフライトデータからも確認されたことから、今後、開発が本格化する超低地球軌道(VLEO)では窒素分子との同時衝突を考慮する重要性が示され、超低地球軌道での材料劣化現象とその試験方法に対して重要な知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、宇宙材料劣化地上試験と軌道上試験で生じる材料劣化試験の不整合問題の主たる原因がビーム中の高エネルギー分子衝突であることが特定され、地上試験における原子状酸素照射量の過大評価や今後の高精度化に向けた方向性が明確化された。さらに超低地球軌道(VLEO)衛星など材料劣化がクリティカルなミッションでの評価基準に関わる知見が得られ、国際基準への反映の必要性が認識された。
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