研究課題/領域番号 |
19K22018
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 (2021) 山口大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
葛山 浩 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (80435809)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 大気圏突入 / 電磁力エアロブレーキング / レーザートムソン散乱法 / アーク風洞 / 膨張波管 / 空力加熱 / ホール効果 / 電磁流体力学 / プラズマ / レーザートムソン散乱 / 惑星大気突入 / アーク気流 / MHD / 希薄気体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
電磁力ブレーキングとは、大気圏突入時に生じる高温気流に電磁力を発生させ、その反力で宇宙船を減速し、加熱を能動的に避ける技術である。この突入技術では、ある高度を境にして、突然に大電磁力が発生する“臨界高度”と言うべき現象が起こることが予想されている。本研究では、膨張波管試験によりこの予想を検証し、さらに、電離イグニッションを用いて、臨界高度を強制的に向上させる技術を提案し、その有効性を検証する。その結果、高々度からの電磁力ブレーキングが可能となり、大気圏突入機の熱防御技術に「受動的に耐える」から「能動的に避ける」への転換が訪れ、再利用可能な宇宙往還機の実現へ繋がる。
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研究成果の概要 |
電磁力エアロブレーキングにおける臨界高度の実証と物理機構の解明を目指し、以下の成果を得た。(1)希薄アーク気流中の磁化模型周りのレーザートムソン散乱計測を行い、臨界高度の要因である、ホール効果に起因するジュール加熱を、電子温度の上昇を捉えることで、間接的に証明した。(2)大型空気アーク風洞において、電離促進剤を用いて、非電離高エンタルピー気流を強制的に電離させる方法を開発し、衝撃層の電離とその拡大とみられる自発光変化を捉えた。(3)再突入流を忠実に再現できる膨張波管気流での電磁力発動試験を試みた。衝撃層拡大効果は得られなかったが、衝撃層拡大のために必要な気流条件を数値解析により精査した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙船が大気圏に突入する際、断熱材を用いて、過酷な空力加熱に耐える技術が使われている。本研究で取り組む電磁力エアロブレーキングは、再突入時に生じるプラズマを電磁力により制御し、能動的に加熱を避ける革新的な技術であり、宇宙船の再利用や安全性を格段に向上させる。本研究では特に、数値解析により予想された臨界高度(上層大気から突然大きな電磁力が発生する現象)の存在と物理機構を検証すべく、三種の高エンタルピー風洞を用いた実験と数値解析による検証を行った。臨界高度の実証はまだ道半ばであるが、臨界高度の原因となるジュール加熱を確認し、上層で強制的に電磁力を発動させる電離促進剤添加法の開発にも成功した。
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