研究課題/領域番号 |
19K22019
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐藤 哲也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80249937)
|
研究分担者 |
十川 悟 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (50822136)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 着霜 / 除霜 / 極低温熱交換器 / 陽極酸化 / 超撥水 / 着霜シミュレーター / 超撥水性 / 熱交換器 / 陽極酸化法 / 着霜シミュレーション / 空調・冷凍機 / 表面処理 / 撥水 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、熱交換器の伝熱面に陽極酸化処理とフッ素処理を施し、超撥水性による着霜低減効果を図る。さらに、伝熱管内側にも陽極酸化処理を施し、断熱層のパラドクス効果による伝熱促進を図る。これらの複合効果により熱交換器の劇的な性能向上を目指す。一般的な熱交換器に用いられるアルミニウム材だけでなく、陽極酸化処理が困難とされるステンレス材への適用も試みる。本研究により、液体水素などの極低温冷媒を用いる航空宇宙用エンジンの燃料消費量を大幅に削減するのみならず、長年問題となっていた空調機や冷凍機の熱交換器のヒーターレス除霜の実現にもつながる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、超撥水材による着霜低減効果の基盤研究と広い冷却面温度に対応する霜層成長シミュレーターの開発を行った。アルミニウム材への超撥水性付与により比較的高温の冷却平板では過冷却液滴の凍結遅延による着霜遅延効果、極低温円管では吹き飛び効果による着霜低減効果が確認された。ミスト化を含めたモデルを組み込み、氷点から極低温までの広範囲な冷却面温度に適用可能なシミュレータを構築した。定量的な精度向上に向けたモデルの更なる検討が必要ではあるが、極低温熱交換器の性能予測などへの応用が期待される。また、目標の一つとしていたSUSへの陽極酸化皮膜の作成については達成できず、今後の課題となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液体水素を燃料とすることにより、高性能で二酸化炭素を排出しない航空宇宙輸送システムが実現できる。しかしながら、極低温水素熱交換器への着霜が主要な技術課題となっている。極低温熱交換器は、水蒸気が気流中でミストになるという特徴があり、従来の冷凍空調用熱交換器での着霜現象と異なる。そこで、本研究では、冷却面にナノスケールの微細表面処理を施すことにより着霜を低減する方法を試みた。さらに、一般動力学方程式を用いて、ミスト化現象を含む新しい着霜予測シミュレータを開発した。極低温冷却面における着霜メカニズムについての知見を得たことは学術的意義があり、今後の水素社会における波及効果も高い。
|