研究課題/領域番号 |
19K22020
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分24:航空宇宙工学、船舶海洋工学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
船木 一幸 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50311171)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | 電気推進 / ホローカソード / スパッタリング / 単結晶 / 長寿命 / 単結晶素材 / 航空宇宙工学 / プラズマ・核融合 / 衛星推進 / ホールスラスタ |
研究開始時の研究の概要 |
イオンエンジン等の宇宙機用電気推進機には、一層の長時間動作とこれに基づく宇宙機軌道変換能力の向上が求められている。本研究では、電気推進機の寿命を律速している電子源を無損耗化するため、電子放出を担う部位への単結晶材料の適用可能性を追求する。研究の実施にあたり、単結晶材料において原子配向が同一である特性によって、低エネルギーキセノンイオンが材料に衝突する際の損耗を無くすことが可能であるという仮説を立て、仮説の実験的検証を図る。
|
研究成果の概要 |
イオンエンジンやホールスラスタといった電気推進は、プラズマジェットを噴射した反力で加速・航行する宇宙機推進方式を指し、少ない推進剤で大きな宇宙機増速が得られる「低燃費性」を特徴とする。本研究では、電気推進機の寿命を律速している電子源を低損耗化する実験研究を実施した。単結晶素材を用いることでイオン衝突に対して無損耗であることを目指したが、単結晶と多結晶のタングステンで損耗について有意な差は得られなかった。一方、 多結晶オリフィスを用いたホローカソードでも、オリフィス径を最適化することでイオンエネルギーを相当量まで低減することが可能であり、数万時間オーダーまで寿命を延ばすことが可能である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
打ち上げから軌道制御までをすべてを燃費の良い電気推進機で実施する次世代衛星は、オール電化衛星と呼ばれ、その優れたペイロード搭載率から、2020年代人工衛星市場の主流になると予想されている。損耗の非常に小さいカソードオリフィス等素材設計が得られたことで、現在のスラスタ寿命制約を逃れ、自在な人工衛星運用や、軌道間輸送、惑星間輸送などの長期にわたるミッションの実現へと繋がり、挑戦的な意義を持つ。
|