研究課題/領域番号 |
19K22021
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 幸弘 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50236329)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | 積乱雲 / 台風 / 立体構造 / 超小型衛星 / 地上観測 / 撮影 |
研究開始時の研究の概要 |
発達する積乱雲の立体構造を捉えることは、ゲリラ豪雨の直前予測や台風発達の予測のために、本質的な課題であるが、レーダーや従来の衛星観測では十分な空間解像度で3次元構造を把握することが困難であった。本研究では、複数点から得られた画像を用いた3Dモデリング技術に注目し、安価に製作できる地上撮像システムと超小型衛星による機動的な撮像観測により、他の手法に比べ単位面積あたり2-3桁低価格で、最新型レーダーや従来型気象衛星を上回る高解像度と広域カバーを実現する積乱雲の動態観測手法を確立する。これにより、積乱雲のダイナミクス研究のための良質なデータ取得が可能になり、開発途上国での観測にも道を拓く。
|
研究成果の概要 |
衛星及び地上の複数の観測点から雲撮像を、3Dモデル作成ソフトウェアを使うことで、雲の立体構造を高解像度で提供する手法の確立を目的とした。 研究期間中に、同グループが独自運用する衛星と地上からの観測キャンペーンを実施し、同時画像を取得することに成功した。ただし、COVID-19の影響で衛星運用、地上観測ともその機会が著しく限定されたため、解析に適した積乱雲を捉えることはできなかった。一方、過去に取得された衛星、航空機、地上での観測で得られたデータもあわせて3D解析を行い、台風の目の内部や積乱雲について、世界最高精度での雲構造推定に成功した。また、全自動地上撮影システムを開発を完了した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
積乱雲や台風など極端気象の予測は今もって困難であり、その大きな要因のひとつが、雲の3次元構造を高精度・高頻度で推定できないことにある。本研究では、本グループが独自に開発・運用する超小型衛星と、地上に配置されたステレオカメラで得られた画像に対し、近年機能向上が著しい3D解析を用いることで、世界最高精度での雲の立体画像作成に成功した。これにより、台風強度の高精度推定や発達メカニムズムの解明、積乱雲がもたらす豪雨予測に、観測の観点から道筋をつけることができた。
|