研究課題/領域番号 |
19K22026
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分25:社会システム工学、安全工学、防災工学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
村松 正吾 新潟大学, 自然科学系, 教授 (30295472)
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研究分担者 |
安田 浩保 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (00399354)
早坂 圭司 新潟大学, 自然科学系, 研究教授 (40377966)
大竹 雄 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90598822)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | サイバー・フィジカル・システム / 流路変動 / 河道制御 / データ駆動 / 強化学習 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模な河川災害により人命と社会資産の損失が繰り返されている.発災時の避難経路の確保と発災後の早期復興のためにも交通網など重要インフラの被害を最小化したい.一方,現在の河道の多くは,土砂堆積により水流が偏心しやすく,樹木の繁茂と相まって不要な破堤や氾濫を誘因しかねない.そこで本研究では,流路健全性の保全と回復のための河道能動制御法を提案する.情報科学,河川工学,地盤工学,物理学の異分野融合研究体制で,河川災害予防のためのサイバー・フィジカル・システムを創出する.センサー群による情報収集,計算機によるシミュレーション,アクチュエータ群による能動的水制のプロトタイプ・システムを構築する.
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研究成果の概要 |
本研究では,河川流路の健全性の保全と回復を実現する河道能動制御法を提案した.河川流路変動を制御するためのサイバー・フィジカル・システム(CPS)を構想し,その構築に役立つ技術として,データ駆動による河床変動の時間発展式の導出と流路変動の推定アルゴリズムを開発した.また,水系全体の水位分布の予測に関する手法も提案した. 流路を健全な状態に保つため,水制の最適配置制御を行うプロトタイプCPSを構築し,センシングからアクチュエーションまでの一連の処理を実現し,その評価と課題の整理を行った. 研究成果として,国内学会にて7件,国際会議にて2件の発表を行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,大規模な河川災害が頻発し,人命と社会資産の損失が繰り返され,既存の治水技術の効力不足を露呈している.現時点では,洪水流の偏心の発生機構が未解明なため,沿川のインフラや集落の保護工法も予兆検出も技術を確立できていない.勘と経験に頼る対策ではなく,デジタル化による河川の状態予測と治水の機能拡張が求められている. CPSの構築には,技術分野を横断する複合現象モデルの開発,検証が求められる.モデリングの拠り所となる河川物理が十分に解明されていない現在,異分野融合体制で新たな価値を創出した本研究は,挑戦的でさらなる研究展開の礎となり学術的にも社会的にも意義があった.
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