研究課題/領域番号 |
19K22035
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柴山 環樹 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10241564)
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研究分担者 |
中川 祐貴 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00787153)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | Heイオン / 銅 / 照射効果 / 酸化 / 拡散 / イオン照射 / 水中結晶光合成 / 酸化銅 / 低温酸化 / ナノ結晶 / 残留弾性歪 / 格子欠陥 |
研究開始時の研究の概要 |
Heイオンを純銅に照射すると表面に酸化物結晶や酸化皮膜の形成が抑制する現象を見出した。もし、この現象が銅の格子間位置や粒界にHe原子が存在することによって酸素の拡散経路を塞ぎ酸化を抑制しているとすれば、プリント基板や端子として現在使用している銅の酸化抑制に画期的な腐食防食法となり電子部品の長寿命化や環境低負荷に貢献できると考えられる。そこで、本研究では、純銅にHeイオン照射後酸化させ、Heイオン照射量による銅表面や内部の微細組織や微細構造の変化について先端電子顕微鏡法によるナノ構造解析と複合量子ビーム超高圧電子顕微鏡を用いたその場観察を試み、Heイオン照射による酸化抑制機構について解明する。
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研究成果の概要 |
Heイオンを純銅に照射すると表面に酸化物結晶や酸化皮膜の形成が抑制する現象を見出した。そこで、Heイオンを照射した純銅を大気中で低温酸化あるいは室温のNaOH水溶液中に浸漬し酸化させ、Heイオン照射量による銅表面や内部の微細組織や微細構造の変化について、収差補正走査透過型電子顕微鏡(Cs-STEM)などを使用して酸素の存在状態を原子レベルで観察・分析した。その結果、He格子間原子や照射欠陥が酸素の拡散バリア層となると共にHeイオン照射中に、表面に形成した炭素を主体とする皮膜により表面の酸化を抑制することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電気伝導に優れるが酸化しやすい純銅にHeイオンを照射し、格子間位置や粒界にHe原子が存在することによって酸素の拡散経路を塞ぎ酸化を抑制出来るか検討した。その結果、He格子間原子や照射欠陥が酸素の拡散バリア層となると共にHeイオン照射中に、表面に形成した炭素を主体とする皮膜により表面の酸化を抑制することが初めて明らかになった。薬剤を使用しないため電子部品の長寿命化や環境低負荷に貢献できると考えられる。
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