研究課題/領域番号 |
19K22037
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
貝沼 亮介 東北大学, 工学研究科, 教授 (20202004)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | CuAlMn系合金 / オーセチック特性 / 形状記憶特性 / 異常粒成長 / 単結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
理論計算により、多くの規則体心立方B2型金属間化合物(IMC)においてポアソン比が負となるオーセチック特性の出現が予測されている。本研究では、熱処理のみで結晶粒を成長させる単結晶製造技術(サイクル熱処理法)を適応し、長手 <110>方位のCuAlMn単結晶を作製してそのオーセチック特性を評価し、実用材としての応用の可能性を検討する。具体的には、以下の5項目について研究する。 (1)<110>集合組織のための加工熱処理条件の明確化、(2)<110>単結晶をのためのサイクル熱処理条件の明確化、(3)歪ゲージによるオーセチック特性評価、(4)共振法による弾性定数の測定、(5)製造コストと用途開発。
|
研究成果の概要 |
理論計算によると、負のポアソン比を示すオーセチック特性は、多くのbcc系金属間化合物でその存在が予測されていた。本研究では、加工熱処理により<110>集合組織を付与したCuAlMn基ホイスラー合金を繰り返し熱処理によって単結晶化した上で、この特異な特性を調査した。得られた単結晶を用い[110]方向に歪を与えながら垂直方位の弾性特性を調査したところ、[1-10]方位においてオーセチック特性を見出し[001]方位ではポアソン比が1を越えることも分かった。またこれらの特性は圧延集合組織においても得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、FeGa以外では実証されていなかった規則bcc金属間化合物(IMC)に出現する負のポアソン比について、CuAlMnにおいてもLD<110>に対しTD<1-10>方向において理論通り生じることを証明し、その起源は弾性定数C’が異常に小さいことにあることを示した。以上の結果から、他の規則bcc-IMCにおおても同様の現象が得られる可能性が十分にあることを示した。また、本現象は単結晶だけでなく多結晶でも得られることから、差し込むことで抜くことが難しい機械ダイオードといった機能性部材への応用が期待できる。
|