研究課題/領域番号 |
19K22046
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
本間 剛 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (70447647)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 結晶化 / 遷移金属 / 鉄 / マンガン / 光吸収 / レーザー加工 / ガラス / 相分離 / ビスマス / ナトリウムイオン電池 / 全固体電池 / 透明 / ナノ結晶 / イオン伝導 / 二次電池 / 透明セラミックス / 磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
ナトリウムイオン電池正極用結晶化ガラスの研究を推進する過程で、透明な結晶化ガラスの創製に成功した。電池の用途では特に光透過性は必要とされないが、驚くことに鉄、マンガン酸化物が多量(約20 mol%)に含有しているにも関わらず可視光透明性を示すのである。熱力学的に準安定な結晶が形成し、透明性以外にもアルカリイオン伝導性、着磁など興味深い物性が明らかになりつつある。そこで本研究では可視域で透明を有する遷移金属酸化物を高濃度で含有する新奇な酸化物ガラスおよび結晶化ガラスの創製とその光学的・電気的特性の評価を目的とする。
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研究成果の概要 |
一般的に遷移金属イオンを含有するガラスは光の吸収が強く失透する。我々は遷移金属イオンを高濃度に含有するにも関わらず可視域で透明性を有する結晶化ガラスを見出した。本研究では特異な性質を示す鉄とマンガンイオンを高濃度に含有するガラスの、結晶化と光学的物性および電気的特性を明らかにし、特異な光透過性と微構造との関係を明らかにした。さらにこれらのガラスには赤外域に強烈な光吸収を有することから赤外レーザーでの加工が容易であることを発見した。ナトリウムイオン電池の活物質として機能するリン酸系ガラスに適用したところ、従来よりも低閾値で結晶化することを発見した。これらは全固体電池の創製に資する成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リン酸鉄は近年リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池の活物質として注目されてきている。我々はガラスの結晶化によってこれらの活物質の創製と物性評価を進めている中で、発見した成果である。通常のガラス系とは異なる珍しい物性を示すことから、学術的に興味深いガラス材料である。元来電池の材料として注目していたが、光と熱の相互作用で、レーザーによる加工を容易にできることは次世代電池の創製に効果的である。
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