研究課題/領域番号 |
19K22056
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北田 敦 京都大学, 工学研究科, 助教 (30636254)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 電解液材料 / 超酸化物 / ポリエーテル / イオン液体 / 濃厚電解質溶液 / 超酸化物イオン / スーパーオキシハライド / 複合アニオン / 磁性体 |
研究開始時の研究の概要 |
超酸化物イオン(スーパーオキサイドイオン、[O2]-:酸素分子の1電子還元体)は、2 価の銅イオンと同じくスピン1/2の磁気モーメントを担う。一般的な磁性イオンが金属カチオンであるのに対して、[O2]-イオンは非金属のアニオンである。本研究では、[O2]-アニオンとハロゲン化物アニオンの複合アニオン化合物、すなわち「スーパーオキシハライド」という未開拓の物質群の創製に挑む。超酸化物イオンが二次元に配置された新物質を合成できれば、同じスピン1/2の磁気モーメントを担う銅酸化物が、なぜ高温で超伝導状態になるのか、どうすればより高温で超伝導にできるかを考える上で役に立つ。
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研究成果の概要 |
嫌気性条件での低温混合による新物質合成について研究した。超酸化カリウム(KO2)と金属ハロゲン化物ならびにポリエーテル溶媒を混合したが、室温条件でも溶媒とKO2の分解が推測された。無溶媒での反応の研究を継続する。上記の知見をもとに、KO2を用いない新しいポリエーテル系電解液を検討し、(I)平滑アルミニウム電析(II)プロトン性溶媒和イオン液体における高速プロトン伝導(III)短鎖ポリエーテル系初の高速リチウムイオン伝導の3つの成果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超酸化物という耳慣れない物質についての理解を深めた。特にポリエーテル溶媒との反応性についての知見が得られた。ポリエーテル溶媒を用いるイオン性溶液についての理解も深まった。結果として本研究は当初予期していなかった展開を見せた。具体的な成果として、室温アルミニウムめっき液、高速プロトン伝導体、高速リチウムイオン伝導体の3つの新材料の発見に至った。これらは次世代めっき材料や次世代エネルギー材料として期待される。
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