研究課題/領域番号 |
19K22057
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 博之 京都大学, 工学研究科, 助教 (50727419)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 新規物質探索 / 第一原理計算 / 結晶構造データベース / 形成エネルギー / 凸包線 / 酸化物 / 不純物元素 |
研究開始時の研究の概要 |
熱力学的に安定な物質だけでなく、準安定な物質にも有用な材料候補となる物質は多く存在するため、それらを効率的に予測することができれば、高機能物質を発見できる可能性を飛躍的に向上させるだけでなく、工業的用途に応じた物質の選択範囲を広げることができる。本研究では、第一原理計算により擬二元系までの酸化物にはどのような未知の熱力学的安定相および準安定相が存在するか、またそれを安定化する添加元素は何かを予測することを目的とする。これまで知られていなかった安定酸化物および準安定酸化物のリストとその安定化元素候補により、新規材料の発見とそれに伴う物性研究を深化させるものと期待できる。
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研究成果の概要 |
未知物質を効率的に探索するために、第一原理計算による熱力学的安定性の評価は有効である場合があるが、未知物質の初期構造が不明であるため系統的な評価は困難であった。本研究では、結晶構造データベースにある全プロトタイプ構造に対して33の陽イオンと酸化物イオンからなる仮想的な擬二元系酸化物モデルを作成し、第一原理計算による形成エネルギーの評価を行った。結果的に、既知物質の多くと同様に形成エネルギーが低い、つまり合成可能性の高い未知結晶構造が多数存在することがわかった。本研究によりスクリーニングした結晶構造を優先的に合成することで物質探索効率を大幅に構造出来ると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一原理計算を基にした熱力学的に安定な未知物質の予測を行う上で、第一原理計算を実行するために適切な初期構造が必要であることが課題の一つに挙げられる。化学組成だけを与えて安定な結晶構造を予測する手法も提案されているが、一つの組成だけでも多くの計算コストを要し、幅広い組成から安定な物質を予測することは現状困難である。本研究では既知の結晶構造データベースにある多様な結晶構造をその初期構造とすることで、幅広い結晶構造の探索を効率的に行う手法を提案できた。
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