研究課題/領域番号 |
19K22062
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
齋藤 彰 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90294024)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | ナノ構造 / 乱雑さ / 透過光 / モルフォ蝶 / ディフューザー / 採光窓 / バイオミメティクス / 照明 / ディフューザ― / 作製 / 構造色 / プロセス / 生物模倣 / ナノ / 光材料 / 透過 / 建築 / 制御 / 材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、応募者が研究してきた「乱雑さの制御」に基づく、新たな「透過型」の光材料開発である。本材料は、外部の光を「高透過で」「広角に」通し「色づかない」理想的な透過特性をもつ。通常、上の3条件は並立不可能で、なぜなら屈折(色分散あり)も散乱(低透過)も不適なためである。しかしモルフォ蝶の特異な光特性(「高反射」の干渉ながら虹色でなく「広角に」「単色」)を応用すると、3条件並立は原理的に可能となる。そこで本研究では、これまでモルフォ型「反射材料」で蓄積した「計測、電磁場解析による設計、ナノ加工・作製技術」を集約し、新規な透過型光材料の特性を実証し、さらに最適化・応用展開を進める。
|
研究成果の概要 |
本計画の主題はモルフォ蝶の特異な光学特性、特に「ナノの乱雑さ」に基づく新たな透過型光拡散材料の開発である。光が入射する物体で「入射界面付近に限定したナノスケールの乱雑構造」を工夫することで、「高透過率・広角拡散・波長分散なし」を並立する従来にない「モルフォ型光拡散板」が可能になった。設計と検証から試作を経て、「透過率85%、角度広がりFWHM 66°、波長分散なし」と設計値に近い性能を示し、透過率と拡散性の双方で従来型を凌駕することが分かった。また、構造設計により、従来型では困難だった拡散光形状の異方性制御も確認した。以上の点から、モルフォ型光拡散板の実証を示すことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「高透過率・広角拡散・波長分散なし」を並立する従来にない「モルフォ型透過光拡散材」について、構想だった当初段階から、設計・実作による基本性能の実証ができた。これにより、理想的な採光窓、およびディフューザーへ開発の道筋が開けた。冒頭の3条件を並立できるだけでなく、フィルム状でコンパクトな上、特に拡散後の光形状制御が可能な点は、従来型に全くない特長である。まず省エネルギーで価値が高い上、ディフューザーは照明への応用に大きな意義がある。特に明るさ・光効率に加えて演色性、つまりカラーレンダリングにおいて色再現性の高さ、の点で従来の照明に対する大きな変革になり得る。
|