研究課題/領域番号 |
19K22064
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 仁丈 九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (30292246)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | プロトン伝導性酸化物 / トンネル効果 / プロトン拡散 / 量子効果 / 低温物性 / アレニウスプロットの折れ曲がり / プロトントンネル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、金属酸化物中におけるプロトン量子トンネル拡散現象を世界で初めて実証し、新たな学問体系の構築に端緒をつけることである。本研究では、中温度域におけるプロトン伝導度が世界最高と知られているアクセプター置換ジルコン酸バリウムを対象に、極低温におけるプロトン伝導度やプロトン拡散係数の温度依存性を決定し、その活性化エネルギーや同位元素効果、トンネル確率を根拠としてプロトン量子トンネル拡散現象を世界に先駆けて実証する。これにより、金属酸化物のプロトン量子トンネル効果に関する新たな学問体系の構築に端緒をつける。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、金属酸化物中におけるプロトン量子トンネル拡散現象を世界で初めて実証し、新たな学問体系の構築に端緒をつけることである。中温度域におけるプロトン伝導度が世界最高と知られているアクセプター置換ジルコン酸バリウムを対象に、極低温におけるプロトン伝導度やプロトン拡散係数の温度依存性を決定し、その活性化エネルギーや同位元素効果を求めた。Y置換ジルコン酸バリウムの低温度域において量子拡散が観測されたものの、拡散キャリアはプロトンではなく、電子または正孔によるものであると結論された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属酸化物におけるプロトンのトンネル効果は、 ヒドロキシ基(-OH)の伸縮振動においてのみ報告されており、プロトン拡散の量子トンネル効果は見出されていない。このような背景のもと、プロトン拡散の量子トンネル効果実証に挑んだ朝鮮的研究である。現状、プロトンとデューテロン導入時の結晶格子ひずみの違い等は考慮できていないが、結晶格子低温電子物性においてプロトン欠陥が寄与することを示唆しており、プロトン導入により誘起される低温電子物性への研究展開が期待される。
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