研究課題/領域番号 |
19K22068
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
長谷部 光泉 東海大学, 医学部, 教授 (20306799)
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研究分担者 |
堀田 篤 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30407142)
松本 知博 東海大学, 医学部, 准教授 (30710983)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マイクロビーズ / 生分解性 / X線視認性 / 肝動脈化学塞栓療法 / 生分解性ポリマー / TACE / DEB |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓癌の治療法である肝動脈化学塞栓療法では、大腿動脈からカテーテルを肝動脈まで挿入し、抗癌剤溶出性の塞栓ビーズ (DEB) を注入することで腫瘍を壊死させる。治療はX線で透視しつつ実施されるが、DEB自体にはX線視認性がなく、塞栓状況の把握が困難である。DEBが意図しない血管を塞栓した際には、合併症の恐れがあるが、塞栓箇所をX線で確認できないために予測することが難しい。さらに、DEBは体内に永久残存するため、合併症のリスク増大も懸念される。以上より本研究では、油性造影剤と生分解性ポリマーであるポリ乳酸 (PLA) から新規DEBの作製し、X線視認性、生分解性、薬剤徐放特性を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では、肝動脈化学塞栓療法(TACE)に用いるX線視認性/生分解性マイクロビーズを開発した。マイクロビーズの平均粒径は、約190μmであり、目標としていた100から700μmの範囲内に収まっていた。マイクロビーズのX線照射下での視認性(X線視認性)を評価するため、CT値を測定したところ約6700HUであり、既存のマイクロビーズの15HUに比較して、優れたX線視認性を有していることが確認できた。また、本マイクロビーズは、生体内を模擬したリン酸緩衝液中において40日間で18.2%の質量減少を示し、生分解性が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TACEは、切除不能な肝臓癌に対して適応されるカテーテル治療法であり、腫瘍に栄養を供給している血管にカテーテルと呼ばれる数mmの細い管を挿入し、塞栓物質を注入して抗腫瘍効果を狙う。TACEはX線透視下で実施されるが、従来の塞栓物質はX線視認性がないために塞栓物質の注入コントロールが困難で、意図しない正常血管を塞栓して合併症を生じる場合がある。また、塞栓物質は体内で永久残存するために合併症が重篤化しやすい。本研究で開発したマイクロビーズはX線視認性と生分解性を兼ね備えた塞栓物質であり、より低侵襲なTACE治療を実現できる。
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