研究課題/領域番号 |
19K22073
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
藤田 麻哉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (10323073)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 相変化畜熱 / 電子相 / 電子相関 / 焼結 / 相転移畜熱 / 固体畜熱 / 電荷・スピン・軌道 / 蓄熱材料 / PCM / 相転移 / 潜熱 / スピン集団 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギーバリューチェーン施策において重要な位置付けにある「蓄熱」に新たな展開をもたらすために、“溶けない”ソリッドステート相変化型蓄熱材(Solid-State Phase Change Material:SPCM) を開発する。電子系の強相関に由来する電子相において、電荷・スピン・軌道に由来して相転移を生じると、パラフィンや有機材に匹敵する吸放熱が実現できる。さらに相転移を外場で誘起することで必要な時に蓄熱をスイッチできる“アクティブ駆動”の方針を確立する。さらに部材としての“固体”に活かす形状付与を視野に入れ、物性物理―熱マネージメントー材料科学が融合した蓄熱材料開発に挑戦する。
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研究成果の概要 |
従来の相変化畜熱材料(Phase Change Material:PCM)は、固体-液体変化を利用するため、カプセルやタンクが必須で、機器への組み込みや、媒体との熱交換に問題があった。本研究では固体の電子相とその相転移を利用して全固体PCMの開発に取り組んだ。電子相の秩序変数の自由度を利用することで、基底状態での電子相関に匹敵する潜熱を取り出せる可能性があることがわかった。また、電子相の特徴ゆえに難焼結性を示すVO2において焼結性を改善し、高強度と高い熱密度を両立した。この結果、バルク体に直接流路を形成し再生畜熱動作が可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
相変化型畜熱材料(PCM) は、熱密度が大きく、排熱・未利用熱利用などの面での活用が期待されている。従来の相変化型畜熱材料で問題となる融液経由を回避するために、固体畜熱材料の開発を行った。いわゆる強相関系において、秩序変数の自由度が大きいと、電子相関を反映して大きな潜熱が得られることを示した。また、新たな材料候補の提案を行った。さらに温度帯や履歴問題などを解決するための方策をさぐり、広い温度帯で活用できる材料の設計指針を明らかにした。また、熱物性の利点を生かしたまま高強度バルク形成を実現することで、材料としての応用展開に目処をたてた。
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