研究課題/領域番号 |
19K22076
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塚田 隆夫 東北大学, 工学研究科, 教授 (10171969)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 分子シミュレーション / 界面親和性 / 付着仕事 / 表面修飾ナノ粒子 / ナノフルイド / 超臨界水熱合成 / 高分子ナノコンポジット |
研究開始時の研究の概要 |
機能性高分子と無機ナノ粒子からなる高分子ナノコンポジット材料の創製においては,ナノ粒子の分散・凝集制御技術,なかでもナノ粒子表面の有機分子修飾によるナノ粒子/高分子界面の親和性制御技術が鍵となる。本研究では,有機分子修飾ナノ粒子/高分子界面の親和性の定量的指標として付着仕事を設定し,これを分子シミュレーションにより求めるとともに,実験(超臨界水熱法によるナノ粒子合成・高分子とのコンポジット化・ナノ粒子構造解析)結果と有機的にリンクすることにより,高分子に対する最適な有機修飾分子の探索等,高分子ナノコンポジット材料の効率的な最適化法を確立する。
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研究成果の概要 |
有機分子修飾無機固体/有機溶媒界面の親和性の評価指標として付着仕事を定め,分子動力学シミュレーションと熱力学的積分法の一つであるPhantom-wall法を併用した付着仕事の解析法を確立した。無機固体をAl2O3とし,界面の分子構造および付着仕事に及ぼす修飾有機分子および有機溶媒の種類,表面修飾率の影響を検討した。デカン酸(修飾有機分子)/ヘキサン(溶媒)系の付着仕事は,界面構造に起因して表面修飾率75%で最大値を示した。修飾有機分子および溶媒の影響については,修飾分子層への溶媒の浸透度の増加とともに付着仕事が増加することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な分野への応用が期待されるナノフルイド(金属や金属酸化物等のナノ粒子を有機溶媒に分散した懸濁液)の特性(分散性)向上に当たっては,ナノ粒子表面の有機分子修飾によるナノ粒子/溶媒界面の親和性制御が重要である。本研究では,分子シミュレーションによる付着仕事の解析を通して界面親和性の定量的評価を可能とするだけでなく,得られた知見に基づきナノフルイド用ナノ粒子の表面修飾有機分子の探索・開発・最適化を大幅に加速でき,当該分野に大きく貢献できるものと考える。
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