研究課題/領域番号 |
19K22080
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
吉野 知子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30409750)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 血中循環腫瘍細胞 / 血小板 / Microcavity array / 単一細胞解析 / 変形能計測 / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
血小板とがん細胞の相互作用はがんの血行性転移において重要な役割を持つと考えられているが、転移の担体であるCTCと血小板との相互作用についてはほとんど明らかとなっていない。本研究ではがんの血行性転移に関連する血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)と血小板の相互作用の解析を目的とした、単一細胞解析デバイスの開発とがん患者血液を用いた実証試験を実施する。得られた結果から、CTC-血小板感の相互作用と転移形成能に関する新たな知見を獲得し、抗がん剤開発への展開を図る。
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研究成果の概要 |
血小板とがん細胞の相互作用はがんの血行性転移において重要な役割を持つと考えられているが、転移の原因細胞である血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)と血小板との相互作用についてはほとんど明らかとなっていない。本研究ではがんの血行性転移に関連するCTCと血小板の相互作用解析に向けて、研究代表者がこれまでに確立してきたCTCの解析技術を基に、がん患者末梢血から血小板が付着したCTCの分離・同定方法を確立し、血小板結合の有無による細胞形状の変化を計測する技術を構築した。本技術により単一細胞レベルで血小板結合量と細胞変形能を同時に解析することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管内に進入したがん細胞は通常、ほぼ全ての細胞が死に至るが、わずかながん細胞が高転移性のがん細胞へと分化すると考えられており、この細胞分化に血小板が関与することが示唆されている。しかしながら、がん患者血中から血小板に結合したCTCを分離することは技術的に困難であり、その解析は殆ど行われていない。本研究により確立した計測技術は、CTCと血小板との結合やそれに伴うCTCの細胞形状変化を捕らえることができる画期的な方法であり、血小板がCTCの悪性化に関わる直接的な証拠を獲得できる可能性を秘めている。よって、本研究は血行性転移機構の解明に寄与することができる極めて重要な研究ツールを提供したと言える。
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