研究課題/領域番号 |
19K22082
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 浩亮 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90423087)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ハイエントロピー合金 / ナノ粒子 / 触媒 / ハイエントロピー合金ナノ粒子 / スピルオーバー / 金属触媒 / 触媒材料 / 水素スピルオーバー / ハイエントロピー合金ナノ粒子触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
『ハイエントロピー合金』は、1) 構成元素が5成分以上の多成分系、2) 等原子組成比、3) 単相固溶体を形成する、などの特徴から従来の合金とは異なる高い比強度、破壊靭性、高延性、高温強度、耐食性を示す、次世代金属材料である。しかしながら、触媒材料として利用例はもちろんのこと、ハイエントロピー合金のナノ粒子化成功例に関する報告は皆無である。本課題では、触媒材料とし未開拓なハイエントロピー合金に着目し、触媒機能発現を目指したナノ粒子化法を確立する。さらに創製した合金ナノ粒子の触媒的性能を選択的水素化反応にて評価し、その利用可能性探索を世界に先駆け行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、二酸化チタン(TiO2)上での水素スピルオーバー現象を利用し、Co、Ni、Cu、Ru、Pdから成るハイエントロピー合金ナノ粒子担持触媒を開発した。水素昇温脱離測定、X線吸収微細構造等の結果より、TiO2上では5種類の金属前駆体が同時に還元されていることを示した。また、電子顕微鏡観察よりナノ粒子の平均粒子径は2ナノメートル程度であり、そのナノ粒子内で5種類の金属元素が均一に分散していることを確認した。 触媒性能を、二酸化炭素の資源化反応にて評価したところ、長時間反応においてもその粒子径はほとんど変化せず、単一の金属のみを担持した触媒に比べて極めて高い耐久性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した担持合金ナノ粒子は、調製が極めて簡便である、過酷な環境下においても安定性が高く分離・回収の容易な粉末状であるなど、実用化触媒に不可欠な基盤要素を兼ね備えている。また、CO2資源化反応において、単一金属から成る既存の触媒より数倍優れた性能を示した。さらに本研究では、カクテル効果、遅い拡散効果が、触媒活性やナノ粒子の構造安定性に起因していることを、理論計算を用いて証明しており学術的な意義も極めて高い。
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