研究課題/領域番号 |
19K22087
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
木田 徹也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (70363421)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 酸化グラフェン / プロトン導電性 / 水素透過 / プロトン伝導 / 水素 / 透過膜 / 膜分離 / 炭素ナノシート / 電極触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
炭素の単層ナノシートに酸素官能基が結合した酸化グラフェン(Graphene oxide: GO)は、幅広い応用への適用が可能なスーパーマテリアルとして注目を集めている。本研究では、混合導電性GO膜を用いた超選択的水素分離技術を開発する。GO積層膜におけるナノシートのサイズ、酸素含量、層間距離、膜厚を制御し、プロトンおよび電子導電性を詳細に調べることで、キャリア(プロトンおよび電子)伝導モデルを提案する。次に、GO積層膜に触媒を塗布した電気化学式水素分離膜を作製し、水素の超選択分離の可能性を実証する。資源的制約の無い炭素ベースの分離膜による水素の高純度化は水素社会の実現にとって意義がある。
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研究成果の概要 |
水素を次世代のエネルギー源として利用するためには水素の安定供給が不可欠である。そのためには経済性に優れた水素製造法が必要であるが、同時に効率的な分離・精製技術も開発しなければならない。そこで本研究では、電子導電性とプロトン導電性を兼ね備える酸化グラフェンを用いて、混合ガスから水素のみを分離する技術の開発を試みた。金属イオンをドープした酸化グラフェンの自立膜の両面にPt/C触媒を塗布し、水素透過膜を作製した。80℃付近において水素の自己透過が観測され、電極触媒によって水素がプロトンと電子に解離し、膜内を拡散し、反対側で再結合することによって水素透過が生じたと結論付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素エネルギー社会の到来は目前に迫っており、水素ステーションも日本各地に配備され燃料電池車の本格普及も間近である。その実現の鍵となるのは、水素の安定供給である。本技術により水素の分離精製をより経済的・効率的に行うことができれば、来る水素エネルギー社会の永続化に大きく資することができる。化学工業においては、生成物・中間生成物の分離精製に多大なエネルギーを消費していると言われており、その工程を効率化できる膜技術への期待は大きい。大規模水素製造施設のみならず、個別水素製造設備および装置にこの膜を組み込み、その場で水素の純化が可能になれば、水素製造・輸送上のコストを大きく低減できる。
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