研究課題/領域番号 |
19K22090
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
杉目 恒志 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 次席研究員(研究院講師) (60716398)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 化学気相成長 / スパッタ / 触媒 / 化学気相成長法 / 薄膜 / スパッタリング |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)は、高い機械的強度や電気・熱伝導性など極めて優れた特性を有し、幅広い産業での応用が期待されている。一方で、用途に応じた合成制御ができていないことが実用化を妨げており、例えばフォレストの成長停止が長尺化を妨げている。現在までの最長のCNTフォレストは約2cmであり、導電性ワイヤなどの応用において本来の引張強度や導電性を示さない。本研究では、新規触媒の開発と反応系の設計を行い、成長停止しない数十cmのフォレスト(既存の10倍以上)の合成技術を開発し数十cmのCNTフォレストの合成を目指す。
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研究成果の概要 |
カーボンナノチューブ(CNT)の実用化において問題となっている構造制御や効率的合成方法の開発を目指し、高密度にCNTを成長させる(CNTフォレスト)の新規成長法の開発を行った。Al酸化物下地上の鉄(Fe)触媒にガドリニウム(Gd)を微量添加した新規三元系触媒(Fe/Gd/Al2Ox)の開発を行うと共に、気相中から触媒源(Fe)や下地源(Al)を供給する新たな手法により、CNTフォレストの速い成長速度を保ちつつ、長い触媒寿命を実現可能な方法を開発した。これまで2 cmが最長であったCNTフォレストを14 cmまで成長の長尺化が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炭素のみから成るカーボンナノチューブ(CNT)は、貴金属などのように原料の枯渇の懸念がなく、強靭でありながら高い電気伝導性や熱伝導性を持つことから産業応用が期待されているものの、効率よく合成する手法や機能を引き出す構造制御に課題がある。本研究ではCNTの成長が自発的に停止してしまう問題に着目し、原因を突き止めると共に、それを解決する新たな手法を開発した。これまで2 cm程度が最長であったCNTフォレストの合成を14 cmまで持続させることに成功し、大量合成などにつながる新たな知見が得られた。今後更なる技術開発により、持続可能な社会における重要な素材として使われる材料になることが期待できる。
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