研究課題/領域番号 |
19K22091
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
雨宮 健太 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80313196)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 軟X線吸収分光 / 深さ分解 / 波長分散型 / リアルタイム観察 / 化学反応 / 軟X線吸収分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
数nmからμm程度の厚さの薄膜において,電界などによって引き起こされるイオンの移動に伴う化学反応が,時間とともに深さ方向に進行していく様子を,非破壊かつリアルタイムで観察する新たな手法を開発し,それを用いて,磁性薄膜における電界による磁性の制御や,全固体薄膜蓄電池における充放電の機構を明らかにする。そのために,元素選択的に化学状態および磁気状態を観察できる軟X線吸収分光法に,nmレベルの深さ分解能と秒レベルの時間分解能の二つを同時に付加した画期的な手法である,「波長分散型深さ分解軟X線吸収分光法」を開発する。
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研究成果の概要 |
軟X線領域におけるX線吸収分光法(XAFS)を用いて,化学反応が時間とともに深さ方向に進行していく様子を,非破壊かつリアルタイムで観察する新たな測定手法を開発した。波長分散した(位置によって波長の異なる)軟X線を試料表面に照射し,それぞれの位置における軟X線の吸収量に比例して放出される蛍光X線を,二枚の球面鏡で結像するとともに,蛍光X線の出射角を弁別して検出することによって,秒オーダーの時間分解能とnmを切る深さ分解能を同時に実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は軟X線吸収分光を用いた化学反応の観察において,秒レベルの時間分解とnmを切る深さ分解を同時に実現したものである。触媒表面で起こる反応,薄膜型二次電池の充放電過程,電極表面における電気化学反応など,深さ方向に進行する反応は数多くあるが,そういった反応を実際の反応に近い条件で,実際に反応が起こっている時間スケールと深さスケールで観察することは,反応の仕組みを理解するのに大きく役立ち,反応の効率や速度を向上させることにつながる。
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