研究課題/領域番号 |
19K22094
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
米澤 徹 北海道大学, 工学研究院, 教授 (90284538)
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研究分担者 |
グエン タンマイ 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00730649)
徳永 智春 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (90467332)
塚本 宏樹 北海道大学, 工学研究院, 学術研究員 (90629346)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 銅 / 微粒子 / 低温焼結 / 酸化 / 原子拡散 / ネッキング / 導電性 / 薄膜 / 焼成 / 低温 / ペースト / 微酸化銅 / 銅微粒子 / 低温焼成 / ナノ粒子 / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
焼結用配線板としてポリマーベースフィルムを用いてその上に銅ナノ粒子・微粒子ペーストを印刷し、焼結させてフレキシブル銅配線フィルムを形成する。このベースフィルムは銅との熱膨張率差が小さい延伸ポリエステルフィルムややや高温での焼結実験の場合にはポリイミドフィルムを用いる。塗工はスクリーン印刷で行い、塗工厚はスクリーン線径により決定する。配線パターン分析、クロスカット評価による密着度測定、マイグレーション耐性試験、曲げ試験などを行い評価し、実用性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、低温焼成用銅微粒子として、Cu8O以上の微酸化銅ナノ粒子や微酸化相を表層にもつ銅微粒子およびその混合体を合成した。この数十g/バッチ以上得られる工業的合成法を確立した。得られた微粒子・ナノ粒子をジプロピレングリコールなどにビーズミルや旋回法を用いて分散した。分散条件を最適化し、安定なペーストを合成できた。これは半年以上用いることができる。銅微粒子の含有量を80 wt%以上にできた。これを基板に塗布し、200℃以下で焼結させたところ、バルクの数倍以内の低い抵抗率を示す安定な導電被膜の形成に成功した。さらにその被膜形成機構が、原子の拡散強化である「ナノ銅吹き出し」によることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、銅微粒子の焼結において微酸化相(Cu2OやCuOではなく、酸素比率の少ない酸化物相)の利用を検討し、それが低温で金属銅へ変換し焼結することが可能であることを示した。その際、結晶構造が変化することから銅原子が通常よりも大きく拡散することが期待される。実際の観測結果はそれを支持しその結果は高い学術的意義がある。これは、粒子同士の接合、ネッキング形成が容易になることを示し、高い導電性を持つ被膜の低温形成に役立つ。実際の観測結果もそれを支持しており、こうした結果は、銅微粒子の導電材料、接合材料への応用に大きな一歩を示した点で社会的意義が大きい。また、微酸化銅の材料化も本研究が世界初である。
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