研究課題/領域番号 |
19K22110
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 芳明 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60345105)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 熱電材料 / 透明材料 / ナノワイヤ / ナノ構造物理 / 量子閉じ込め構造 / 漁師閉じ込め構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人工的急峻電子状態を有する量子閉じ込めナノ構造を、良電子伝導を担うナノワイヤの側面に形成することで、良伝導電子状態と高ゼーベック係数をもたらす急峻電子状態の混成状態を誘起し、さらに、ナノ構造界面でのフォノン散乱を利用することで、本来不可能である高電気伝導率、高ゼーベック係数、低熱伝導率の同時実現を目指す。 具体的には、透明熱電材料の中でも高電子移動度をもつ環境調和型ZnOをナノワイヤコア部とし、その側面に量子閉じ込めシェル部をもつコアシェルナノワイヤを創成することで、上記目的に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究では、人工的急峻電子状態を有する量子閉じ込めナノ構造を、良電子伝導を担うナノワイヤの側面にもつコアシェルナノワイヤの埋め込み薄膜を創製することで、ナノワイヤ中の良伝導電子状態と人工的急峻電子状態の混成による出力因子増大と界面フォノン散乱による熱伝導率低減を同時に実現し、透明熱電材料開発に向けて本学理に基づく熱電性能向上方法論を創成することを目的とした。本研究では、ZnO/Mg0.1Zn0.9Oコアシェルナノワイヤ構造薄膜を形成し、ゼーベック係数の増大を観測した。このメカニズム解明にはさらに詳細に調べる必要があるが、本増大の観測の成功は、本ナノ構造戦略による有用性の可能性を示す結果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、ナノ構造を用いて量子状態を操作することで熱電変換効率を増大させるという新しい性能向上の方法論を打ち出すものであり、高い学術的意義を有する。また、この手法は、ユビキタス元素からなる酸化物に適用できるため、将来、環境調和型の透明熱電材料実現への道を拓くという社会的インパクトを与えるものである。
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