研究課題/領域番号 |
19K22113
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吾郷 浩樹 九州大学, グローバルイノベーションセンター, 教授 (10356355)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 六方晶窒化ホウ素 / CVD法 / グラフェン / 触媒・化学プロセス / 結晶成長 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / CVD / 転写 / 二次元デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンに代表される原子数個分の厚みしかない二次元材料が、優れた特性から次世代デバイス材料として期待されている。しかし、二次元材料は基板表面や吸着ガスなどの影響を受けて特性が大きく低下する問題がある。そのような中、絶縁性の六方晶窒化ホウ素(h-BN)の二次元膜が、特性を大きく引き出す材料として注目を集めている。しかし、現在使われているh-BN膜は結晶から剥離して得られる非常に小さな薄片であり、応用を進める上で大きな妨げとなっていた。そこで本研究では、高結晶性のh-BN膜をウェハースケールで合成する方法を開発し、二次元材料の特性を発揮するプラットフォームを創出し、材料科学の発展に貢献していく。
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研究成果の概要 |
六方晶窒化ホウ素(hBN)の多層膜は、二次元物質の科学と応用を支える極めて重要な絶縁性二次元物質である。しかし、この多層hBNを均一に大面積に合成する手法は未だなく、大きなブレークスルーが求められている。本研究では、単結晶基板上に堆積した合金薄膜を触媒として用い、様々な検討を行うことで、均一性の高い多層hBNを大面積に合成することに成功した。同時に、合金触媒の結晶変化とシンクロナイズした極めてユニークなhBNの生成メカニズムを見出すことができた。さらに、この多層hBNを用いると単層グラフェンの特性が向上することを確認し、本研究で合成した多層hBNが二次元絶縁基板として有望であることも実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で合成を試みた六方晶窒化ホウ素(hBN)の多層膜は、現在では二次元物質の研究に欠かせない材料になっている。それは、多層hBNが周囲の環境の影響を効果的に遮へいして、グラフェンなどの二次元物質の優れた特性や特異的な物性を発現させる舞台を提供するからである。そのため、この多層hBNをウェハースケールで合成する技術を開発することは、二次元物質の学術と応用研究の推進のために極めて重要である。しかし、高品質の多層hBN合成は非常に難しく、現在でも剥離片が広く用いられている。本研究は多層hBNを大面積に合成する可能性を提示しており、科学的、産業的に大きな意義とインパクトを有している。
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