研究課題/領域番号 |
19K22116
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
河合 武司 東京理科大学, 工学部工業化学科, 教授 (10224718)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ナノワイヤー / キラリティー / ソフトテンプレート / キラリティ |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノワイヤーは1次元ナノ材料として高い関心を集めているが、次のチャレンジングな課題はそれらの二次構造制御技術の開拓である。本研究では、二重らせん状極細金ナノワイヤーの合成法の確立とその特異な光学特性の発現に挑戦する。特に、種々のキラルナノワイヤーの合成とキラル光学特性の評価、ナノワイヤーへの有機色素被覆によるキラル転写法の確立、さらにナノワイヤーの二次構造の自在制御法の開発などの未開拓課題に重点を置く。これら未開拓課題の解決を通して1次元ナノ材料の新規な機能発現を目指す。
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研究成果の概要 |
貴金属ナノワイヤーのチャレンジングな課題として、簡便な合成法の開発とナノワイヤーの二次構造制御について検討した。長鎖アミン誘導体(C18AA)とD体の12ヒドロキシルステアリン酸(HSA)とのらせん状分子集合体を鋳型として、太さ3 nmの右巻き二重らせん金ナノワイヤー(AuNWs)の合成法を確立した。また分子集合体やAuNWsの構造は、① C18AAの鎖長には依存しないこと、②長鎖へのアミド基や二重結合の導入によって制御できること、③D体とL体のHSAの混合比を変えると大きく変化することを実証した。さらに、テンプレートを用いないC18AA水溶液中でのAuNWs合成法も確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
らせん状ナノワイヤーの作製はトップダウン法が主流であるが、直径3 nm以下のらせん構造を作製するのは現状では不可能である。またボトムアップ法ではらせん状にナノ粒子が配列したものはあるが、テンプレートを除くとばらばらになる欠点がある。本研究で開発したらせん状金ナノワイヤーはテンプレートを除いても形状が崩れないため、キラル光学特性の発現は保持される。したがって、光メタマテリアルやナノマシンなどの次世代ナノ材料の開発を飛躍的に加速させることが期待できる。さらに本研究は有機分子の自己組織化と無機ナノ結晶の形態制御を融合させた学際分野創成の端緒となる。
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