研究課題/領域番号 |
19K22119
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
早澤 紀彦 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (90392076)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 走査プローブ顕微鏡 / テラヘルツ / ナノテクノロジー / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
スピントロニクスデバイスでは、単一スピンやスピン流、スピン波の超高速制御が重要であり、ピコ秒~マイクロ秒といわれるスピン緩和時間の原子分子スケール評価が必要とされている。本装置の開発により、新たにサブピコ秒オーダーの時間分解能がSTMを用いたスピン分光手法に加えられる。本計測システムでは、物質科学分野で要求される、電場・磁場・フォトン・フォノン・スピン・電子状態・振動状態及びその空間的・時間的ゆらぎを共通システムで計測可能とするための要素技術を開拓する。「1原子・1分子が総活躍できるデバイスの開発」を将来社会像に描き、従来ない分析計測機器を世の中に提供することで、その社会の早期達成に挑戦する。
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研究成果の概要 |
走査プローブ顕微鏡(SPM)技術とテラヘルツ(THz)技術を融合し、高空間分解能かつ高時間分解能を有する3つの新規ナノ分光法開発を行った。即ち、1)SPMレーザーTHz発光分光(SPM-LTEM)、2)SPM THz時間領域分光(SPM-THz-TDS)、及び融合した3)SPM光励起THzプローブ分光(SPM-OPTP)である。1)~3)の装置を同一環境制御チャンバーシステム内に設計・開発を行った。また、装置開発だけでなく、THz発光・検出素子に用いる低温成長GaAs基板をSPM分光により物性評価し、材料開発面へフィードバックを行い、福井大学及びフィリピン大学との共同研究へと展開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノメートルオーダーの超高速現象を見る新たな目を提供する。特に、微小領域の物理的・化学的・量子的な現象の直接高速観測を実現し、新たなデバイスや材料開発における基盤計測技術を提供する。例えば、太陽電池やバッテリーおよび有機ELデバイス等、あらゆるデバイスのエネルギー変換過程は物質界面で発生する。本手法では、不均一な界面での超高速局所ダイナミクス観測を可能とする。これにより、エネルギー変換場である界面におけるナノレベルでのエネルギー変換ダイナミクスの追従分析が可能となる。ダイナミクスの理解が得られれば、ナノレベルで材料開発の最適化を図ることが可能となり、持続可能社会の実現に貢献できる。
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