研究課題/領域番号 |
19K22124
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩見 雄毅 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10633969)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ディラック磁性体 / スピントロニクス / スピンホール効果 / トポロジー / ベリー位相 / トポロジカル磁性体 / 磁性薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
スピントロニクス素子において必要となる高効率なスピン流-電流変換素子材料の新開発指針として、新しいトポロジカル磁性体である「ディラック磁性体」を提案する。歪みを印加した際の特異なバンド構造に由来するトポロジー効果により発現することが期待される、高効率なスピンホール効果の実証を狙う。
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研究成果の概要 |
主にディラック磁性体の候補であるγ相FeMnの薄膜に焦点を当てた。γ-FeMnでは、強結合近似のもとでフェルミ準位付近にスピン縮退したディラック構造が見られ、歪みによりスピンホール効果が観測されることが期待されていた。圧電材料基板上に作製したFeMn/Ni-Fe薄膜試料に対して、歪みと外部磁場を同時に印加した状態でアニールした。室温でスピンゼーベック/異常ネルンスト効果測定を行い、スピンホール効果の大きさを計測したが、歪みによる信号強度の制御は、測定精度の範囲内で観測されなかった。一方、測定された熱起電力信号に交換バイアス効果が見られ、その大きさはこの系で報告された値の中でも最大値に近かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではスピントロニクス材料として新しい種類のトポロジカル磁性体である「ディラック磁性体」を提案した。近年スピン縮退の解けた線形バンドの交差点であるワイル点を有する特異な電子構造に由来した高効率なスピン流と電流の変換効果(スピンホール効果)が注目を集めている。一方、本研究ではスピン縮退した線形バンドが交差するディラック点を有する磁性体をディラック磁性体と定義し、その機能開発を行った。特に、歪みの印加により発生すると期待される、ディラック点のベリー位相磁場の効果によるスピンホール効果を観測することを目指して研究を行った。
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